中国とロシア、国際秩序の公平と正義を強調 モスクワ発の国際ニュース
モスクワのクレムリンで行われた首脳会談後の共同記者会見で、習近平国家主席は、中国とロシアが協調して国際社会の公平と正義を守る役割を果たすべきだと強調しました。本記事では、この国際ニュースのポイントを日本語で分かりやすく整理します。
モスクワの首脳会談で何が語られたのか
習近平国家主席は木曜日、モスクワのクレムリンでロシアのプーチン大統領と会談し、その後そろって記者団の前に立ちました。習主席は、中国とロシアは世界や時代の大きな変化の中で、二国間関係の発展方向と人類社会全体の流れをしっかりと見据える必要があると述べました。
両首脳の会談について習主席は、「踏み込んだ、和やかで、実りあるものだった」と評価し、多くの新たな重要な共通認識に達したと説明しました。両国は、中国とロシアの包括的戦略的パートナーシップを「新時代」に向けてさらに深める共同声明に署名し、複数の協力文書の交換を見届けたことで、両国関係の発展に新たな推進力が加わったとしています。
習主席にとって今回の訪露は11回目であり、中国国家主席として最も多く訪れている国だと自ら言及しました。また、翌日の金曜日には、ソ連の大祖国戦争勝利80周年を記念する行事に出席すると述べ、過去10年で2度目の参加になるとしています。
キーワードは「発展」「公平」「正義」
習主席の発言には、中国とロシアの関係だけでなく、国際秩序やグローバルガバナンス(世界のルール作り)に関する明確なメッセージが含まれていました。主なポイントは次の通りです。
- 両国の「発展」と「復興」に向けて、全面的な協調を強めること
- 国際社会における公平と正義を守るため、中国とロシアが明確な立場を取ること
- 国連を中心とした、国際法に基づく国際秩序を揺るぎなく支持すること
- 「平等で秩序ある多極化した世界」を推進し、特定の国だけでなく多くの国々が関わる国際システムを目指すこと
- すべての国が参加し、成果を分かち合う包摂的な経済グローバリゼーションを促すこと
習主席は、中国とロシアは国際社会における安定・進歩・発展のための重要な力だと位置付け、その連携が世界の平和と安全により大きな安定をもたらすと強調しました。
歴史で結ばれた「試練を経た友好」
習主席は、両国関係の土台として第二次世界大戦期の歴史を強調しました。約80年前、軍国主義やナチズムによる侵略に直面した際、中国とロシアの人々は共通の敵に対して肩を並べて戦い、血を流しながら歴史に特筆すべき英雄的な一章を書き記したと振り返りました。
そのうえで、この試練を通じて築かれた人民同士の大きな友好が、現在の高いレベルの二国間関係のしっかりとした基盤になっていると指摘しました。今後も政治的な相互信頼を一層深め、戦略的な協調を強化し、より成熟し、揺るがない形で両国関係を発展させていく必要があると述べています。
経済協力という「高速列車」
経済・貿易面について習主席は、第二次世界大戦中に両国が困難を乗り越えて必要な物資を融通し合ったことから、現在の記録的な二国間貿易額に至るまでの歩みを振り返りました。そのうえで、中国とロシアの互恵協力の歩みを「山や谷を越え、困難や障害を乗り越えて走り続けてきた高速列車」にたとえました。
今後も両国は、さまざまな分野での実務協力をさらに深化させ、包括的な戦略協調を支える物質的な基盤を強化し、両国の人々により多くの利益をもたらすべきだとしています。また、その協力を通じて、世界全体の発展にもより力強い原動力を提供したいという姿勢を示しました。
国際秩序とグローバルガバナンスへのメッセージ
習主席は、中国とロシアが第二次世界大戦においてアジアとヨーロッパの主要な戦場として、反ファシズム戦争の勝利に決定的な貢献をしたと述べました。その結果として、戦後の国際秩序の構築に重要な基礎を築いたと位置付けています。
現在については、両国が国連を中心とした国際システムと、国際法に支えられた国際秩序を断固として守るべきだと強調しました。そのうえで、平等かつ秩序ある多極化した世界を推進し、世界の将来はすべての国が共に決め、発展の成果もすべての国が共有するべきだと訴えました。
また、中国とロシアは「主要国」であり、かつ重要な新興市場経済であるとしたうえで、より公平で正義あるグローバルガバナンスを進める崇高な使命を担っていると述べました。両国は、国連や上海協力機構、BRICSなどの多国間枠組みでの協調を強め、「真の多国間主義」を堅持し、世界のガバナンスを望ましい方向へ導き、すべての国に利益をもたらす包摂的な経済グローバリゼーションを促進すべきだとしています。
日本の読者が押さえたい視点
今回の発言から浮かび上がってくるのは、中国とロシアが自らを国際社会の中でどのような存在として描こうとしているか、というメッセージです。日本の読者にとって注目しやすいポイントを整理すると、次のようになります。
- 両国関係の強化は、二国間の利害を超え、「国際的な公平と正義」「多極化した世界」といった大きな物語の中に位置付けられていること
- 第二次世界大戦における共闘の歴史が、現在の政治的信頼とパートナーシップの正当性を支える要素として強調されていること
- 経済協力や多国間の枠組み(国連、上海協力機構、BRICSなど)が、両国の描く国際秩序のビジョンを具体化する手段として示されていること
国際秩序や多極化をめぐる議論は、今後も世界各地で続いていきます。こうした中国とロシアの発信を、日本や他の国・地域がどのように受け止め、自国の外交や安全保障、経済戦略の中でどう位置付けていくのかが、これからの重要な論点になりそうです。
Reference(s):
Xi calls on China, Russia to contribute to int'l fairness and justice
cgtn.com








