中国で初の国産9価HPVワクチン承認 子宮頸がん予防で新たな一歩
中国で初めて、国産の9価HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンが承認されました。子宮頸がんの主な原因とされるウイルスへの予防手段が広がることで、中国だけでなく世界の公衆衛生にも影響を与えそうです。
中国で初の国産9価HPVワクチンが承認
中国国家薬品監督管理局によると、水曜日、中国は初の国産9価HPVワクチン「Cecolin 9(セコリン9)」を承認しました。開発は、翔安生物医学実験室と厦門大学、万泰生物薬業が共同で進めてきたものです。
この承認により、中国は高価HPVワクチンを自国で独自に供給できる国として、米国に次いで世界で2番目となりました。HPVワクチンの国産化は、供給の安定や価格の面でも意味が大きいとみられます。
Cecolin 9の特徴と予防効果
Cecolin 9は、2019年以降、中国各地で5つの臨床試験が行われ、9歳から45歳までの約1万1,000人の健康なボランティアが参加しました。
- HPV16型・18型(2価ワクチンが対象とする型)に加え、31・33・45・52・58型にも対応
- 12カ月以上続く持続感染に対して98%超の予防効果
- 子宮頸部感染に対しては100%の予防効果
といった結果が示され、幅広い型のHPV感染を強力に抑えることが確認されています。
若年層は2回接種で十分な免疫応答
臨床試験では、9~17歳の女子では2回の接種で、18~26歳の女性が3回接種した場合と同程度の免疫応答が得られることも示されました。特に15~17歳に対しては、現在のところ中国で利用できる唯一の2回接種のHPVワクチンとされています。
国際的な製品と同水準の性能
比較研究では、Cecolin 9が類似する国際的な製品と比べても、少なくとも最終接種から30カ月の間、同程度の免疫応答が維持されることが分かりました。これらの研究成果は、医学誌「The Lancet Infectious Diseases」に掲載されています。
今回の9価ワクチンは、同じ研究チームによる成果の最新例でもあります。チームは2019年に中国初の国産2価HPVワクチンを開発し、このワクチンは2021年に世界保健機関(WHO)の事前認証を取得。その後、21の国と地域の市場に参入しています。
子宮頸がんとの闘いで見える中国の戦略
WHOによると、2022年時点で子宮頸がんは世界の女性にとって4番目に多いがんでした。HPVワクチンの普及は、このがんを減らすための中核的な対策の一つとされています。
中国では、子宮頸がん対策の一環として、2024年には13~14歳の女子のおよそ40%が無料でHPVワクチン接種を受けられるようになりました。今回の9価ワクチン承認は、こうした政策をさらに後押しし、将来的にはより多くの若い世代に幅広い型のHPVからの予防を提供することにつながると期待されます。
日本の読者にとっての意味
国産ワクチンの開発と普及を加速させている中国の動きは、ワクチンの供給源を多様化し、世界全体のアクセス改善につながる可能性があります。子宮頸がんの予防という共通の課題に対し、各国がどのようにワクチン政策や研究開発を進めているのかを比較して見ることで、自国の制度や選択肢を考え直すきっかけにもなりそうです。
HPVワクチンをめぐる動きは、単なる医薬品ニュースにとどまりません。公衆衛生、ジェンダーの視点、そして国際協力のあり方までを含めて、2025年の今、改めて考えてみるべきテーマと言えるでしょう。
Reference(s):
China approves first domestically produced nine-valent HPV vaccine
cgtn.com








