香港車の北上285万回超 港珠澳大橋で越境移動が急増
香港と広東省・珠海、マカオをつなぐ港珠澳大橋で、香港ナンバーだけを付けたシングルプレート車の北上が急増しています。最新の統計では、珠海口岸を経由した香港車の北向き通行回数が285万回を超え、粤港澳大湾区の越境移動が新たな段階に入っていることがうかがえます。
数字で見る 香港車北上のインパクト
橋の珠海口岸を利用する香港特別行政区のシングルプレート車は、香港側にのみ登録された車両です。月曜日午前9時時点で、こうした車による北行きの通行回数は累計285万回を突破しました。
橋の出入境検査所によると、2025年の年初から現在までに珠海口岸を通過した旅客車は327万台を超え、前年同期比で約30パーセント増加しています。週末や祝日には、1日あたりおよそ2万1000台が行き交う状況です。
このうち香港のシングルプレート車が占める割合は4割超とされ、珠海口岸を通過する車種の中で最も一般的な存在になっています。
政策導入前、港珠澳大橋の珠海口岸を通過する車両は1日平均約7000台でしたが、2025年には1万8000台に達し、2023年同時期と比べて150パーセント以上の増加となりました。わずか数年で、橋の利用風景が大きく変わったことが分かります。
香港車北上制度とは何か
こうした変化を後押ししているのが、2023年7月に正式スタートした香港車の北上制度です。英語名称は northbound travel for Hong Kong vehicles とされ、仕事やレジャーでの越境移動をしやすくすることを目的としています。
制度開始から2023年7月1日から2025年6月30日までの間に、10万8000台以上の車両と12万9000人を超える運転手が、越境審査の登録を完了しました。登録の裾野が広がるにつれて、日常的に自家用車で広東省側へ出かける香港の人々も増えているとみられます。
大湾区の一体化が進む背景
粤港澳大湾区の一体化や連結性の強化は、地域戦略の柱とされています。港珠澳大橋を通じた香港車の北上増加は、次のような動きを映し出していると考えられます。
- 通勤や出張など、日常的な越境移動のハードルが下がりつつある
- 週末や連休を利用したドライブ旅行など、域内観光の選択肢が広がっている
- ビジネスや生活拠点を広東省側に求める人にとって、移動の自由度が高まっている
特に、香港のシングルプレート車が全体の4割以上を占めているという事実は、単なる観光だけでなく、仕事や生活を含めた越境ライフスタイルが広がっている可能性を示しています。
日本の読者にとっての意味
日本でも首都圏や関西圏などの広域都市圏で、鉄道や高速道路を軸にした経済圏の一体化が進んでいます。粤港澳大湾区における港珠澳大橋と香港車北上制度の組み合わせは、インフラと制度をそろえて人と車の流れをつくる一例と言えます。
今回の数字からは、ひとつの橋とルールの設計が、人々の移動行動を大きく変え得ることが読み取れます。出張や旅行でアジア各地を行き来する読者にとっても、今後の域内モビリティを考えるヒントになりそうです。
Reference(s):
Over 2.85m HK vehicles cross Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge northbound
cgtn.com








