香港から粤港澳大湾区へ:チャンスの土地で広がる4つの物語 video poster
最近、香港特別行政区から粤港澳大湾区(Greater Bay Area)へと活動の場を広げ、新しいチャンスをつかむ人や企業が目立っています。本記事では、番組Assignment Asia: Life in the Land of Opportunitiesで紹介された4つの物語を通じて、「チャンスの土地」としての大湾区の姿を追います。
香港から大湾区へ広がる「チャンスの土地」
粤港澳大湾区は、香港特別行政区と周辺の都市を結ぶ広域経済圏として位置づけられています。ここ数年、その大湾区で、香港の人々が新しい仕事や暮らしの場を見つける動きが静かに広がっています。
今回紹介する4人の主人公は、いずれも異なる業種・バックグラウンドを持ちながら、大湾区で自分なりの「成功」と「居場所」をつくり上げてきました。
高収入の仕事を捨てて牛モツビジネスに挑戦したホイ・タクチョンさん
ホイ・タクチョンさんは、かつて香港特別行政区で「トップの仕事」と言える安定したポジションに就いていました。しかし彼は、思い切ってその職を手放し、中国広東省の中山市で牛モツを扱うビジネスを始めます。
慣れない飲食ビジネスへの転身は、大きなリスクでもありました。それでもホイさんは、自分の手で事業を育てる道を選び、「振り返ることはなかった」といいます。現在、中山市で手がける牛モツビジネスは好調で、地域の人々にも親しまれる存在になっています。
サハラ砂漠のアリに学んだ香港テック・スタートアップ
香港発のテック系スタートアップは、意外な存在からヒントを得ました。それが、過酷な環境を生き抜くサハラ砂漠のアリです。アリの動きや生存戦略に着想を得て、同社は独自の技術や製品の開発を進めてきました。
量産体制を整えるうえで鍵になったのが、粤港澳大湾区の産業基盤でした。スタートアップは、大湾区で必要な工業リソースや生産ネットワークを見つけ、大量生産に踏み出すことができました。その結果、現在では世界各地にクライアントを持つまでに成長しています。
深圳・坪山で広がる無料の獅子舞教室 ツァン・ホイピンさんの挑戦
ツァン・ホイピンさんは、深圳市坪山区で子ども向けの無料獅子舞教室を立ち上げました。伝統芸能である獅子舞を、次の世代にどう継承していくか――その問いに、自ら行動で答えようとしたのです。
教室の運営にあたっては、多くの支援を受けました。地域の人々や関係者の後押しもあり、いまでは多くの子どもたちが獅子舞に魅了され、熱心に練習に通っています。ツァンさんの取り組みは、粤港澳大湾区で伝統文化を現代の暮らしとつなぐ一つのモデルと言えます。
ファッションから教育へ 佛山で見つけた「第二の人生」
かつてファッションデザイナーとして活躍していた一人の人物は、教育の世界に転身し、佛山市で新たなキャリアを歩んでいます。デザインの現場から離れ、学びや人材育成に関わることで、「人生の新しい意味」を見いだしたといいます。
彼女/彼は、大湾区の都市として発展を続ける佛山で、地域の人々と交流しながら、自分の経験を次の世代に伝えることにやりがいを感じています。いまでは佛山が「自分の家のように居心地の良い場所」だと感じているそうです。
4つの物語が映し出す粤港澳大湾区のいま
牛モツビジネス、テック・スタートアップ、獅子舞教室、そして教育への転身。4つの物語には、いくつかの共通点が見えてきます。
- 香港特別行政区で培った経験や感性を、大湾区の都市で生かしていること
- 飲食、テクノロジー、文化、教育と、分野を問わず新しい挑戦の場が広がっていること
- ビジネスの成功だけでなく、「自分らしく生きられる場所」を求めて移り住んでいること
粤港澳大湾区は、単なる経済圏というだけでなく、人と文化が行き交い、多様な価値観が交差する場としても機能しつつあります。香港特別行政区から移り住んだ人々の視点を通じて見ると、その姿がより立体的に浮かび上がってきます。
読者への問いかけ:あなたにとっての「チャンスの土地」とは
Assignment Asia: Life in the Land of Opportunitiesが切り取ったのは、「成功者の物語」というより、「それぞれが自分の居場所を探し続けるプロセス」でもあります。
働き方や暮らし方の選択肢が増えるなかで、「どこで、誰と、どのように生きるか」は、これからの世代にとってますます重要なテーマになっていきます。粤港澳大湾区での4つの物語は、自分にとっての「チャンスの土地」はどこにあるのか、静かに問いかけているようにも見えます。
ニュースをきっかけに、身近な友人や家族と「もし場所を選べるとしたら、どこでどんなことをしてみたいか」を話し合ってみるのも良さそうです。
Reference(s):
cgtn.com








