国際世論調査が示す「文明間対話」の力 中国発グローバル文明イニシアチブとは
2025年、世界の分断や不安定さが語られる中で、文明間対話や共有される価値観はどこまで平和と安定に貢献できるのでしょうか。最近、中国の国際メディアCGTNと中国人民大学が実施した国際世論調査は、この問いに一つの答えを示しています。
41カ国・1万2302人が回答 文明間交流への高い期待
調査はCGTNと中国人民大学が共同で行い、世界41カ国の計1万2302人を対象としたオンラインパネル調査です。各国の国勢調査に基づく年齢・性別構成に合わせてサンプルを設計し、代表的なグローバル・サウス諸国と先進国の両方を含んでいます。
結果からは、文明間の交流と相互学習が「人類文明の前進」と「世界の平和と発展」を促す重要な推進力だと、世界の回答者が広く認識していることが分かりました。文化の継承と革新が人類の近代化を進めるうえで果たす役割も、全体として高く評価されています。
中国発「グローバル文明イニシアチブ」への共感
中国の習近平国家主席が提唱した「グローバル文明イニシアチブ(Global Civilization Initiative)」は、グローバル発展イニシアチブやグローバル安全保障イニシアチブに続く、「国際社会への公共財」と位置づけられています。今回の調査では、その核心的な考え方が世界の回答者から広く支持されていることが示されました。
具体的には、回答者の90.8%が「文明の多様性を尊重することは、国際社会の基本原則だ」と答えました。また、90.2%が「地球規模の課題に対応するには、どの国も無傷ではいられない以上、各国の共同努力が必要だ」と考えています。
文化をどう守り、どう更新するかについても高い関心が集まりました。88.5%は「文化の革新と伝統の保護は同じくらい重要だ」と答え、89.4%は「国際的な文化交流を強化し、人々の相互理解を深めるべきだ」と回答しました。
自国の進む道は自国で決める 開発の自律性を支持
調査はまた、各国が自らの条件に合った発展の道を選ぶ権利を尊重すべきだという考え方が、世界で広く共有されていることも示しています。
回答者の88.8%が「すべての国は、自国の国情に応じて、独自の発展の道や社会制度を選ぶ固有の権利を持つ」と答えました。この原則への賛同が最も高かった上位10カ国はいずれもグローバル・サウスの国々でした。
さらに、87.7%は「文化や価値観の違いを国際的な対立の理由にすべきではない」と考え、86.6%は「他国の文化的伝統を力ずくで変えようとする行為は、相手への敬意を欠く」と見ています。価値観の違いを衝突ではなく対話で乗り越えようとする姿勢が強く表れた形です。
文明間交流が近代化を豊かにする 中国式現代化への注目
人類社会の近代化の歴史において、文明間の交流と相互学習は常に重要な役割を果たしてきました。今回の調査でも、その認識は明確に表れています。
89.8%が「異なる文化間の交流は、人類全体の共通の進歩を促す」と答えました。特に若い世代で賛同が高く、18〜24歳では91.8%、25〜34歳では91.6%がこの見方に同意しています。
また、85.9%は「各国がそれぞれに進めている近代化の取り組みが、人類文明の多様性を豊かにしている」と評価し、89.4%は「国際的な人的交流が各国の相互理解を高める」と答えました。
近年の中国式現代化の実践についても、国際社会の理解を広げるものとして注目されています。83.4%の回答者が「各国の近代化の道は、それぞれの文化的伝統に根ざすべきだ」と答え、87.1%が「近代化とは伝統を捨てることではなく、革新を通じて伝統をよみがえらせることだ」と考えています。
さらに、88.5%は「文化の革新と伝統の保護は同等に重要だ」とし、82.9%は「現代の発展理論は、自国の文化的伝統と結びつけて理解すべきだ」と答えました。近代化と伝統文化をどう両立させるかという問いに対し、「どちらか一方」ではなく「統合」を志向する傾向が読み取れます。
「革新性」が中国文化の特徴 テクノロジーとデジタルメディアが窓口に
中国文化の特徴について尋ねた設問では、60.6%の回答者が「革新性」を最も重要な特徴として挙げました。その中でも、技術革新への関心が際立っています。
77.2%の回答者は、中国のテクノロジーとその応用に特に注目しており、中国の生活様式や伝統文化、大衆文化への関心を上回りました。中国の技術力とその社会実装のあり方が、世界に強い印象を与えているといえます。
中国文化へのアクセス経路としては、テクノロジーと結びついたデジタルメディアが主流になっています。中国のソーシャルメディア、映画・ドラマなどの映像コンテンツ、そして各種テクノロジー製品やサービスが、中国文化を伝える有力な媒体として存在感を高めています。
高まる文化的ソフトパワー 若い世代で8割超が評価
中国のグローバルな文化的影響力やソフトパワーについても、全体として前向きな評価が示されました。81.6%の回答者が「中国の文化的影響力とソフトパワーは急速に高まっている」と感じており、44歳以下の世代では賛同がいずれも80%を超えています。
あわせて、75.4%が「中国文明は世界の文明発展に大きく貢献してきた」と答え、70.3%が「中国文明は、開発途上国にとって参考となる価値を持つ」と見ています。
さらに70.6%は「中国文明はグローバル・ガバナンス(地球規模の課題の管理・運営)に新しい視点を提供している」と回答しました。年代別に見ると、この見方に同意した人は18〜24歳で73.5%、25〜34歳で75.8%、35〜44歳で73.0%に達し、特に若年〜中年層で支持が厚いことが分かります。
世界が共有する「価値観のベース」をどう生かすか
今回の国際世論調査からは、世界各地の人々が次のようなポイントで共通の認識を持ちつつあることが見えてきます。
- 文明や文化の多様性を尊重することが、国際社会の基本原則であること
- 各国は自国の条件に即した発展の道を自ら選ぶ権利を持つこと
- 近代化は伝統と対立するものではなく、革新を通じた伝統の再生でもあること
- デジタルメディアやテクノロジーを通じた人的・文化的交流が、相互理解を深めること
分断や対立が強調されがちな国際情勢の中で、こうした共通認識は「共有できる価値観のベース」として機能し得ます。中国発のグローバル文明イニシアチブをめぐる今回の調査結果は、文化や文明の違いを出発点としながらも、対話と相互学習を通じて平和と安定を模索する道が、世界各地の人々によって支持されつつあることを映し出しています。
Reference(s):
CGTN Poll: Shared values seen as path to global peace and stability
cgtn.com








