中国のインターネット利用者11億人超に CNNIC最新報告2025
2025年6月時点で、中国のインターネット利用者が11億2,000万人を突破し、普及率が79.7%に達したことが、中国インターネット情報センター(CNNIC)が発表した最新報告で明らかになりました。本記事では、この数字が示す意味と、オンライン文化・生成AIの最新動向を日本語で整理します。
11億人超がネット利用、普及率は約8割に
CNNICの報告書によると、2025年6月末時点で中国のインターネット利用者数は11億2,000万人を超えました。インターネット普及率は79.7%と、2024年12月から1.1ポイント上昇しています。
この伸びは、第14次五カ年計画期間(2021〜2025年)に進められてきたインターネット基盤整備と普及施策の成果とされています。都市部だけでなく、地方や高齢者を含めた「誰一人取り残さない」デジタル化を目指す流れが数字にも表れています。
高齢者と農村部にも広がるデジタル包摂
デジタル格差の縮小も、今回の報告書の重要なポイントです。2025年6月時点で、60歳以上のインターネット利用者は1億6,100万人に達し、この世代の利用率は52%となりました。
農村部の利用者も3億2,200万人に伸び、インターネット普及率は69.2%に到達しています。高齢者と農村部という、これまで接続が遅れがちだった層がインターネットの恩恵を受け始めていることが分かります。
オンライン行政サービスやデジタル決済、遠隔医療などの広がりにより、生活インフラとしてのインターネットの性格が一段と強まっているとみることができます。
中国発オンライン文学、世界に広がる物語
報告書は、インターネットの普及が中国発の文化コンテンツを国内外に広げる役割も果たしていると指摘しています。特にオンライン文学やゲーム、人気ウェブドラマと観光地の連動などが例として挙げられました。
2024年には、中国のオンライン文学の海外市場規模が500億元(約7億ドル)を超え、世界200以上の国と地域で配信されています。海外読者数は3億5,000万人を突破し、マスメディアとは異なるルートで中国文化が浸透しつつあります。
中でも日本は、中国オンライン文学の読者数が前年比180%増と、最も成長率の高い新興市場となりました。日本語話者に向けた翻訳や、アニメ・ドラマ化といった展開が今後さらに加速する可能性もあります。
中国音像・デジタル出版協会の張毅軍・第一副会長は、中国のオンライン文学が新しい大衆文化芸術の形として、業界内の価値観の多様化を促していると述べています。また、2024年にはオンライン文学と短尺ドラマの融合が業界の新たな変革の道を開いたと評価しました。
生成AI、技術から応用まで一気に進展
報告書は、オンライン文化に加えて、生成AI(生成型人工知能)の急速な発展にも触れています。2025年上半期、中国の生成AI製品は技術・サービス・応用の全段階で開発が進んだとされています。
2025年3月時点で、中国のサイバー空間管理当局に登録された生成AIサービスは346件に達しました。
国内のAIモデルは、パラメータ数が数千億規模に達し、テキスト・画像・音声など複数の形式を扱うマルチモーダル能力を獲得しています。オフィスの共同作業、教育、工業デザイン、コンテンツ制作など、多様な現場に組み込まれつつあり、複数分野をまたぐインテリジェントな応用エコシステムが形になりつつあるといいます。
日本から見る「11億人ネット社会」のインパクト
今回のCNNIC報告は、日本の読者にとってもいくつかの示唆を与えます。
- 11億人超のネット利用者と、世界に広がるオンライン文学市場は、日本の出版社やコンテンツ企業にとっても、協業・翻訳・二次創作などの新たな機会になり得ます。
- 高齢者と農村部に対するデジタル包摂の取り組みは、少子高齢化と地域格差を抱える日本にとって、政策デザインの比較対象になりえます。
- 生成AIサービスが数百単位で登録され、実務の現場に組み込まれている状況は、日本企業にとっても競争環境とパートナーシップの両面で無視できないトレンドです。
2025年も残りわずかとなる中、インターネットとAIを軸にした中国のデジタル化の進展は、アジア全体のビジネスと文化の地図を静かに書き換えつつあります。日本からこの動きをどう捉え、どのように関わっていくのかが、これからの議論のポイントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








