中国のエネルギー転換、再生可能エネルギーが6割に迫る
中国がエネルギー転換をどこまで進めているのか。中国の国家発展改革委員会(NDRC)の最新の公表内容から、石炭依存度の低下と再生可能エネルギー拡大の実像を数字で読み解きます。
過去5年で進んだグリーン・低炭素転換
中国の国家発展改革委員会によると、過去5年間(2020〜2024年)で、中国のエネルギー構成には明確な変化が表れています。
- エネルギー消費に占める石炭の割合は、2020年の56.8%から2024年には53.2%へ低下
- 非化石エネルギーの割合は、同じ期間に15.9%から19.8%へ上昇
石炭の比率が下がり、非化石エネルギーの比率が上がっているという組み合わせは、中国がエネルギー供給の柱を少しずつ切り替えつつあることを示しています。
石炭依存からの緩やかなシフト
石炭は依然として中国のエネルギー消費における大きな割合を占めていますが、その比率は5年間で3ポイント余り低下しました。数字だけを見ると変化は急激ではありませんが、大規模な経済とエネルギー需要を抱える中で、構成比を数ポイント動かすこと自体が大きな転換の兆しといえます。
非化石エネルギー比率の着実な拡大
非化石エネルギーとは、再生可能エネルギーなど、化石燃料を燃やさない形で得られるエネルギーのことです。その比率が15.9%から19.8%へと上昇したことで、中国のエネルギー構成の中で、よりクリーンな電源が存在感を増していることが分かります。
2025年6月時点で設備容量の約6割が再エネに
発電設備という観点でも、再生可能エネルギーの拡大が進んでいます。2025年6月末時点で、中国の再生可能エネルギーの設備容量は2.16ビリオンキロワット(約21億6000万キロワット)に達し、発電設備全体の59.2%を占めました。
設備容量ベースで6割近くが再生可能エネルギーという構成は、電源ポートフォリオの中心が徐々にクリーンエネルギーへと移りつつあることを示しています。国家発展改革委員会によれば、中国は設備容量の規模と増加ペースの両面で世界をリードする位置を維持しているとされています。
数字から読み取れる三つのポイント
今回示された数字を手掛かりに、中国のグリーン・低炭素転換について、押さえておきたいポイントを整理します。
- 構成の変化は「少しずつ、しかし確実に」
石炭の比率は依然として高い一方で、非化石エネルギーがじわじわと存在感を増しています。エネルギー構成の転換は一気に進むものではなく、数年単位での緩やかな変化として現れているといえます。 - 再生可能エネルギーは「量」で先行
設備容量ベースでは、すでに全体の約6割が再生可能エネルギーです。規模の面で大きな土台ができつつあることは、今後のグリーン転換の前提条件になります。 - 政策と投資が継続している可能性
石炭比率の低下と、再生可能エネルギー設備の拡大が同時に進んでいることから、エネルギー分野への政策的な後押しや投資が継続していることがうかがえます。
私たちが注目したいこれからの論点
こうした中国の動きは、国際的な脱炭素の流れの中で、他の国々や地域にも影響を与えます。日本を含むアジアのエネルギー政策やビジネス戦略を考えるうえでも、いくつかの論点が浮かび上がります。
- エネルギー安全保障と環境のバランス
石炭などの従来電源から、再生可能エネルギー中心の構成へ移る過程で、安定供給と環境負荷低減をどう両立させるかは、多くの国に共通する課題です。 - インフラと制度のアップデート
再生可能エネルギーが増えるほど、送電網や市場ルールなどの制度設計が重要になります。中国の動きは、インフラと制度をどう組み合わせていくかという点でも注目されます。 - 企業や投資家の戦略
エネルギー構成の変化は、電力コストや供給源の多様化にもつながります。中国市場と関わる企業や投資家にとっては、中長期の戦略を考えるうえで無視できない要素です。
データで追うグリーン転換
今回公表された数字は、あくまで一時点のスナップショットですが、過去から現在への推移を見ることで、中国のグリーン・低炭素転換が段階的に進んでいる姿が浮かび上がります。今後も、石炭と非化石エネルギーの比率、再生可能エネルギー設備の割合がどのように変化していくのかを追うことで、エネルギー転換のスピードや方向性をより立体的に捉えることができそうです。
数字の変化を丁寧に追うことは、国際ニュースを単なる出来事としてではなく、長期的なトレンドとして理解するための第一歩です。エネルギーをめぐる中国の動きは、これからもアジアと世界の議論の重要な材料であり続けるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








