中国宇宙ステーションの船外活動用宇宙服B、通算20回の船外活動を達成 video poster
リード:中国の船外活動用宇宙服が「20回」の節目
中国の宇宙ステーションで使用されている船外活動用宇宙服「B」が、通算20回目の船外活動(EVA)を支えたことが分かりました。中国有人宇宙飛行士研究訓練センターが月曜日に明らかにしたもので、同ステーションで運用される宇宙服として初めて、4年以内に20回のEVAを支えるという目標を達成したとしています。
何が達成されたのか
宇宙服「B」は、2025年8月15日に行われたShenzhou-20クルーによる第3回船外活動で、宇宙飛行士のChen Dong宇宙飛行士が着用しました。このミッションまでに、宇宙服「B」は合計20回のEVAを支えたことになります。
同センターによると、この宇宙服はこれまでに8回の有人飛行ミッションで延べ11人の宇宙飛行士が使用してきました。宇宙服「B」は、4年間で20回のEVAを支えるという目標を満たした初の宇宙ステーション用宇宙服になったとされています。
第2世代「Feitian」船外活動用宇宙服とは
船外活動用宇宙服は、船外作業を行う宇宙飛行士の安全を守り、効率的な作業を可能にするための不可欠な装備です。
中国の宇宙ステーションで運用されている第2世代のFeitian(飛天)船外活動用宇宙服は、軌道上での寿命が3年とされ、その間に少なくとも15回のEVAに使用できるとされています。設計標準では「少なくとも15回」の使用が想定されるなか、今回20回のEVAを支えた運用実績は、その基準を上回る例となりました。
また、中国の宇宙ステーション用船外活動宇宙服は、中国で初めて、軌道上での寿命評価と、当初の想定を超えた延長利用が行われている飛行用プロダクトだとされています。宇宙空間という厳しい環境の中で、どこまで安全かつ効率的に使い続けられるかを実際の運用で確かめていることになります。
新たに届いた宇宙服「D」「E」
2025年7月15日には、補給船Tianzhou-9が、中国の宇宙ステーションに新たな物資を届けました。この便には、第2世代Feitian船外活動用宇宙服の新しい2セット「D」と「E」が含まれていました。
これらの宇宙服「D」と「E」はすでに開梱と検査を終えており、状態は良好だとされています。今後の船外活動で段階的に使用されていく見通しだと、中国有人宇宙飛行士研究訓練センターのZhang Wanxin氏は説明しています。
第1世代からの技術的進化
Zhang氏によると、第2世代のFeitian船外活動用宇宙服は、第1世代の宇宙服と比べて、いくつかの重要な技術的進歩が盛り込まれています。寿命が長くなり、安全性と信頼性が高まり、宇宙飛行士の作業効率も向上しているといいます。
こうした性能向上により、第2世代Feitian宇宙服は、中国の宇宙ステーションの建設段階だけでなく、運用段階における船外活動を力強く支える装備になっていると位置付けられています。
このニュースから見えるもの
今回の20回達成は、単に宇宙服1着の記録更新というだけではありません。長期間にわたり同じ宇宙服を安全に使い続けられることは、宇宙ステーションの運用やコスト面にも影響を与えうる重要な要素だと考えられます。
日本を含む各国が宇宙開発や宇宙ビジネスへの関心を高めるなか、船外活動用宇宙服のような「縁の下の力持ち」の技術が、有人宇宙活動を支える基盤になっていることにも注目が集まりそうです。
- 同じ宇宙服が8回の有人ミッション、11人の宇宙飛行士に使用されてきたという「使い続ける設計」
- 設計標準の「少なくとも15回」を超える20回のEVAという運用実績
- 新たな宇宙服「D」「E」の投入による、今後の船外活動の継続的な支援体制
宇宙開発のニュースというと派手な打ち上げや新型ロケットに目が行きがちですが、宇宙服のような装備の進化も、宇宙での人間の活動範囲を広げていく上で欠かせないテーマになっています。
Reference(s):
Chinese spacesuit reaches 20 spacewalks, extending in-orbit lifespan
cgtn.com








