中国、米国の半導体3社VEU認可撤回に抗議 供給網への影響を懸念
中国、米国の半導体3社VEU認可撤回に抗議 供給網への影響を懸念
米国商務省が、中国で操業する半導体企業3社に対する「バリデーテッド・エンドユーザー(VEU)」認可を取り消したことに対し、中国商務省が強く反発しています。グローバルに相互依存が進む半導体産業で、今回の輸出管理の見直しは何を意味するのでしょうか。
米国が半導体3社をVEUリストから削除
米国商務省(U.S. Department of Commerce)は金曜日、中国で事業を展開する次の3社について、VEU認可を取り消し、リストから削除すると発表しました。
- Intel Semiconductor (Dalian) Co., Ltd.
- Samsung China Semiconductor Co., Ltd.
- SK Hynix Semiconductor (China) Ltd.
VEU認可は、あらかじめ「信頼できる取引先」として承認された企業に対し、米国企業が一部の先端的な民生用ハイテク製品を輸出する際、個別の輸出許可(ライセンス)を毎回取得しなくてもよいとする仕組みです。今回の削除により、これらの企業に向けた対象品目の取引では、手続きや審査が増える可能性があります。
中国商務省「輸出管理を道具化、サプライチェーンに深刻な影響」
土曜日、中国商務省の報道官は声明を発表し、この米国の決定に「強い不満と断固たる反対」を表明しました。
報道官は、世界の半導体産業は深くつながっており、今回の措置は輸出管理を「道具」に変えるもので、グローバルな半導体産業とサプライチェーンの安定に深刻な悪影響を及ぼすと指摘しました。
さらに米国に対し、直ちに「誤った行為」を是正し、世界の産業・サプライチェーンの安全と安定を守るよう求めています。そのうえで、中国として必要な措置を取り、自国企業の合法的な権益を断固として守ると強調しました。
VEUとは何か 輸出管理と企業活動のあいだ
VEU(バリデーテッド・エンドユーザー)は、米国の輸出管理制度の一部として設けられた仕組みで、一定の条件を満たした企業を事前に認定し、特定の品目については手続きの簡素化を認める制度です。
企業側にとっては、
- 輸出のリードタイム(調達にかかる時間)の予見可能性が高まる
- 設備投資や生産計画を立てやすくなる
- サプライチェーン全体のコストやリスクを抑えやすくなる
といったメリットがあるとされます。逆に認可が取り消されると、個別審査の負担増や納期の不確実性などが増す可能性があり、企業活動に影響が及ぶ懸念があります。
相互依存が進む半導体サプライチェーンへの波紋
中国商務省が強調したように、半導体産業は典型的なグローバル分業の産業です。設計、製造装置、材料、製造拠点、組み立て・検査などが多くの国と地域にまたがって配置され、それぞれが相互に依存しています。
このため、一国による輸出管理の強化や認可の見直しは、当事国だけでなく、関連する企業や地域に波及する可能性があります。今回のVEU認可撤回が、
- 中国で操業する外資系半導体工場の投資計画や生産体制
- 米国企業による先端装置・部材の供給体制
- アジアや欧州も含めた他地域の半導体サプライチェーン
にどのような影響を与えるのかは、今後の具体的な運用や各社の対応によって変わっていきます。
今後の注目点:対話の行方と企業のリスク管理
今回の動きは、半導体をめぐる国際的なルールづくりと安全保障上の懸念、そして企業のビジネス環境がどのように交差しているかを示しています。
今後は、
- 米中間でどのような通商・ハイテク分野の対話が行われるのか
- 各国・各地域の企業が、調達先や生産拠点の多様化などどのようなリスク管理を進めるのか
- サプライチェーンの安定と安全保障上の規制とのバランスをどう取っていくのか
といった点が焦点になりそうです。日常のスマートフォンからデータセンター、最新の産業機械に至るまで、半導体は不可欠な基盤となっています。今回のような制度変更が、最終的には製品価格や技術革新のスピードにも影響を与えうるという視点から、引き続き動向を追う必要があります。
Reference(s):
China opposes U.S. removal of semiconductor firms from VEU list
cgtn.com








