中国湖南省の98歳退役軍人が語る「中国人民は立ち上がった」 video poster
2025年12月現在、中国湖南省・洞口県で唯一の抗日戦争の生存退役軍人とされるジョウ・グアンユエン(Zhou Guangyuan)さんは、98歳になった今もはっきりとこう語ります。中国人民は立ち上がった。この一言には、自らの戦争体験と、その後の時代の歩みを見つめてきた長い人生の実感が込められています。
洞口県で唯一の生存退役軍人
ジョウ・グアンユエンさんは、中国湖南省洞口県出身の98歳の退役軍人で、同県で唯一の抗日戦争(War of Resistance Against Japanese Aggression)の生存退役軍人とされています。長い年月を経ても、当時の記憶は鮮明だといいます。
1945年・西湖南の戦いで果たした役割
1945年、戦争が終わりに近づく中で、ジョウさんは部隊の一員として西湖南の戦いに参加しました。この戦いで彼に課せられた任務は、最前線で攻撃することだけではありませんでした。
彼の任務は、3人で構成された米軍の軍事顧問団を守ることでした。この顧問団は、連合軍の航空機に日本軍の陣地を正確に攻撃させるため、現地で作戦を指揮する重要な役割を担っていました。ジョウさんは、自らの身を危険にさらしながら、その小さなチームを守り抜いたのです。
中国人民は立ち上がったという言葉に込められた重み
98歳になった今、ジョウさんは自らの体験をふり返りながら、中国人民は立ち上がったと語ります。この言葉には、長い苦難の歴史を経て、人びとが自分たちの未来を自分たちで切り開こうとしてきた歩みへの誇りがにじみます。
戦火のただ中で、国や地域、立場の異なる人びとが協力し合い、攻撃目標を正確に定めようとしていたことも、このエピソードから見えてきます。米軍の顧問団を守るという任務は、一人の兵士として、そして一人の人間として、仲間と共に生き延びるための闘いでもありました。
デジタル世代が受け取るべきメッセージ
スマートフォンでニュースを読み、国際情勢をリアルタイムで追うことが当たり前になった今、戦争の記憶はどうしても遠いものになりがちです。しかし、ジョウさんのような一人の証言は、歴史を抽象的な年号ではなく顔のある出来事として思い起こさせてくれます。
国際ニュースを日本語で追いかける私たちにとって、この物語は次のような問いを投げかけていると言えるでしょう。
- 自分の暮らしの裏側で、どのような歴史が積み重なってきたのか。
- 戦争や暴力の記憶を、どのように次の世代へ語り継いでいくのか。
- 他国や地域の人びとの苦難を、自分ごととして想像できるか。
記憶をつなぐのは、一人ひとりの関心と対話
98歳の退役軍人の短い一言は、過去と現在、そして未来をつなぐ小さな橋のような存在です。国境を越えて協力し合った経験や、日常を取り戻そうとした人びとの思いを知ることは、今の国際社会を理解する手がかりにもなります。
歴史の当事者は少しずつこの世を去っていきます。その中で、記事を読み、家族や友人、オンラインのコミュニティで語り合うこと自体が、記憶を次の世代につなぐ営みになります。ジョウ・グアンユエンさんの中国人民は立ち上がったという言葉をきっかけに、戦争と平和、そして自分たちのこれからについて、静かに考えてみる時間を持ってみてもよいのではないでしょうか。
Reference(s):
98-year-old veteran: Chinese people have risen to their feet
cgtn.com








