中国、デジタル経済の発明特許で世界首位 AI特許は世界の6割に
中国が2024年、デジタル経済の中核産業における発明特許件数で世界首位となり、AI関連特許でも世界全体の6割を占める規模に達していることが明らかになりました。国際ニュースとして、日本語でデジタル経済の動きを追いたい読者にとって見逃せない動きです。
中国、デジタル経済の発明特許で世界首位に
国際ニュースとして注目されるデジタル経済分野の特許動向で、中国が存在感を一段と強めています。中国国家知識産権局(CNIPA)は、デジタル経済の中核産業における2024年の発明特許授与件数で、中国が世界1位となったと明らかにしました。
同局によると、これらの産業で2024年に認定された発明特許は50万件に達し、前年比23.1%増と、世界全体の平均成長率を大きく上回る伸びを示しました。このデータは、「デジタル時代の知的財産」をテーマに開かれた第14回中国知的財産年次会議の場で公表されています。
「デジタル経済の中核産業」とは何か
この記事では、「デジタル経済の中核産業」を、デジタル技術そのものを支える分野と大まかに捉えます。たとえば、ソフトウエア、クラウドコンピューティング、データセンター、通信インフラ、人工知能(AI)などが含まれると理解できます。
こうした基盤技術の特許を押さえることは、単なる技術競争にとどまらず、今後の産業構造や国際競争力に直結するテーマです。日本を含むアジア各国の企業や政策担当者にとっても、デジタル経済の特許動向を把握することが重要になっています。
AI関連特許は世界の6割、研究開発の重心シフトを示唆
CNIPAは、中国がAI関連の特許保有でも世界をリードしており、世界全体のおよそ60%を占める規模に達していると説明しています。AI技術は、生成AI、画像認識、自動運転、医療診断など、幅広い分野で応用が進む基盤技術です。
AI関連特許の多さは、研究開発投資の厚みや企業・研究機関の裾野の広さを映し出す指標と見ることができます。一方で、各国・各地域がAI技術をどう利用し、どのように規制していくのかという「ルールづくり」の議論も、今後いっそう重要になりそうです。
海外向け・海外からの特許も拡大
中国のデジタル経済の中核産業では、海外との特許のやり取りも拡大しています。CNIPAのデータによると、同分野の企業などが海外で取得した発明特許は、2016年の2万1,000件から2024年には5万2,000件へと増加しました。
一方で、中国国内で有効な発明特許を持つ海外の企業や機関も増えています。2024年末時点で、95の国と地域からの主体が、中国のデジタル経済の中核産業で有効な発明特許を保有しており、その件数は40万7,000件に達しました。これは、中国において海外の革新主体が保有する有効な発明特許全体の43.7%を占めるとされています。
CNIPAのShen Changyu(シェン・チャンユー)局長は、「これは、海外企業が中国のデジタル経済の将来の発展に自信を持っていることを十分に示しています」と述べ、国際的なビジネス環境としての魅力を強調しました。
日本の企業・読者が押さえたいポイント
今回の発表は、日本を含むアジアの企業にとって、次のような示唆を与えています。
- デジタル経済の中核技術では、中国発の特許が急速に増えており、市場参入や提携を検討する際には、特許リスクやライセンス戦略の重要性が高まっています。
- AI関連特許の多くが中国に集中することで、標準技術やプラットフォームの主導権を誰が握るかという構図も変化しつつあります。
- 海外企業による中国での特許取得が進んでいることは、中国市場をめぐる国際的な技術競争が一段と激しくなっていることを意味します。
デジタル経済の時代には、1つのサービスやプロダクトの裏側に多数の特許が絡み合います。日本の企業やスタートアップにとっても、中国を含む各国・各地域での知的財産戦略をどう組み立てるかが、今後の競争力を左右するテーマになりそうです。
静かに進む「特許地図」の書き換え
2024年の数字は、デジタル経済とAIをめぐる「特許地図」が書き換わりつつある現状を映し出しています。特許件数の順位だけで未来が決まるわけではありませんが、どこで新しい技術が生まれ、その成果がどのように保護されているのかを追うことは、世界の動きを立体的に理解する手がかりになります。
ニュースを読みながら、自分の身の回りのサービスや仕事が、こうした国際的な特許の動きとどうつながっているのかを、一度ゆっくり考えてみてもよさそうです。
Reference(s):
cgtn.com








