マカオ立法会選挙で26人当選 改正後初の「愛国者」議会へ
マカオ特別行政区の立法会選挙で26人の新議員が選ばれ、第8期立法会が姿を現しつつあります。2024年の選挙法改正後では初の選挙であり、一国二制度と愛国者によるマカオ統治の原則がどのように運用されているのかが注目されています。
第8期立法会、26人当選 残る7人は行政長官が任命
先日行われたマカオ特区の第8期立法会選挙で、選挙管理委員会は26人の候補者が暫定的に当選したと発表しました。今回の選挙は直接選挙と間接選挙を組み合わせた方式で行われました。
新たな立法会は定数33議席で、このうち
- 14議席が住民による直接選挙
- 12議席が業界団体などによる間接選挙
- 残る7議席をマカオ特区の行政長官が任命
選挙管理委員会によると、投票は日曜日の午前9時から午後9時まで行われました。行政長官のサム・ホウファイ氏は、最終的な選挙結果を受け取ってから15日以内に残り7人を任命する予定です。
立法会議員はすべてマカオ特区の永久居民で構成され、任期は第1期を除き4年とされています。
サム行政長官「公正でクリーンな選挙」と評価
サム・ホウファイ行政長官は、直接選挙で選ばれた14人と間接選挙で選ばれた12人の当選者に祝意を表するとともに、投票に参加した有権者に感謝の意を示しました。
サム行政長官は、選挙管理委員会や関係部門、公務員の尽力によって、合法的で公正かつ公平、そしてクリーンな選挙環境が維持されたと強調しました。さまざまな主体の協力により、秩序ある選挙が実現したと評価しています。
今回の立法会選挙は、2024年に改正された選挙法の施行後、初めて実施された選挙です。サム行政長官は、その意味で今年の選挙は特に重要だと述べました。
選挙は、一国二制度、マカオ人によるマカオ統治、高度な自治という枠組みに基づき行われたとされています。また、愛国者によるマカオ統治の原則を厳格に実行し、中国の憲法とマカオ特区基本法が定める憲制秩序を守りつつ、一国二制度の着実な実施を後押しするものだと位置づけられました。
サム行政長官は、マカオ特区政府は今後も引き続き憲法と基本法を厳格に順守し、立法会との良好なコミュニケーションと協力を維持していくと表明しました。そのうえで、マカオ社会に貢献するため、経済成長の促進と住民の福祉向上に向けて、立法会と緊密に連携していく考えです。
2024年の選挙法改正 候補者資格審査を強化
2024年には、マカオ特区の立法会選挙法が改正されました。今回の選挙は、その改正内容を反映した初の選挙となります。
改正のポイントとしては、
- 候補者の資格審査プロセスの改善
- 愛国者によるマカオ統治の原則を法的枠組みの中でより徹底すること
- 選挙の各段階の手続きの明確化と精緻化
などが挙げられます。これにより、選挙が公正、公平、透明で秩序立って実施されることを目指したとされています。
中央政府「マカオの実情に合った質の高い民主の一里塚」
中央政府の香港・マカオ事務弁公室の報道官は、第8期立法会の選挙が愛国者によるマカオ統治の原則を全面的に実行する、もう一つの重要な節目だと評価しました。マカオの実情に即した質の高い民主の発展にとっても、大きな前進だと位置づけています。
報道官によれば、今回の選挙では、市民の参加が広く、高い投票意欲が示され、投票率は過去最高水準となったとされています。また、当選した議員は出身分野が多様でチームとしての構成もバランスが取れており、全体として過去で最も高いレベルにあるとの見方が示されました。
新しい立法会に対しては、国家の主権、安全、発展利益を守り、マカオ特区の憲制秩序と行政主導の制度を堅持し、行政長官と特区政府による依法施政を全面的に支持することへの期待が寄せられています。
さらに、マカオ経済の適切な多元化、広東マカオ深合区横琴の建設の加速、社会の調和と安定の維持、住民生活の改善、そしてマカオが国家の全体的な発展によりよく溶け込むことなど、多方面での役割も期待されています。報道官は、これらを通じて、強い国づくりと中華民族の振興に貢献し、マカオに特色ある一国二制度の着実な実行を支えていくと述べました。
中央政府連絡弁公室「住民が主人公であることの明確な表れ」
中央人民政府駐マカオ特別行政区連絡弁公室の報道官も、今回の選挙結果に祝意を表しました。同報道官は、特区政府が愛国者によるマカオ統治の方針を全面的に実行し、法に基づき秩序立てて選挙を行ったと評価しました。
また、マカオの有権者が、基本法で保障された選挙権を真摯に行使し、強い主人公意識を示したことは、マカオ住民が自らの事柄の主人であることを示す最も明確なサインだと述べました。法に基づく統治と民主の前進に向け、マカオが新たなスタートラインに立ったことを象徴する出来事だとしています。
報道官は、選出された26人の議員はいずれも愛国心に厚く、社会への奉仕に熱心で、責任を担う能力を備えているとし、立法会の構成も世代交代を含めて最適化されたと評価しました。
マカオの政治と経済にどんな変化が期待されるか
今回の選挙結果を受け、マカオの政治運営と経済政策には、いくつかの方向性が見えてきます。
経済多様化と横琴の役割
中央政府やマカオ特区政府は、観光とエンターテインメントに依存してきたマカオ経済の適切な多元化を重要課題として掲げています。広東マカオ深合区横琴の建設は、その象徴的なプロジェクトです。
新たな立法会は、横琴エリアの開発を後押しする法制度整備や、イノベーション産業、人材交流、地域連携などを支える議論を担うことが期待されています。マカオが国家全体の発展戦略の中でどのような役割を果たすのかをめぐる議論も、今後一層重要になっていきそうです。
住民の生活と社会の安定
一方で、住民の暮らしや社会の安定も、立法会と特区政府にとって重要なテーマです。報道官のコメントが示すように、新議員には民生の改善と社会の調和が強く期待されています。
住宅や雇用、教育、医療など、生活に直結する政策をどう具体化していくのか。行政主導の体制のもとで、立法会がどのように政策を審議し、監督するのかは、マカオの民主と統治の質を左右するポイントとなります。
newstomo的ポイント このニュースから考えたい3つの視点
今回のマカオ立法会選挙は、日本から見ると距離のある出来事に見えるかもしれませんが、一国二制度の具体的な運用や、地域に応じた民主のあり方を考えるうえで示唆に富んでいます。押さえておきたい視点を三つ挙げます。
- 選挙制度の設計と運用が、地域の政治文化や歴史的背景とどのように結びついているか。
- 愛国者による統治という原則のもとで、行政と立法の関係、住民の参加がどのように位置づけられるか。
- 経済多様化や地域協力といった政策課題に対して、立法機関がどのように長期的な視点を提供できるか。
マカオ特区の動きは、アジアのガバナンスモデルや都市の将来像を考えるうえでも、引き続き注目していく価値がありそうです。
Reference(s):
26 new Macao SAR legislators elected, preliminary results show
cgtn.com








