中国がスウェーデン人にビザ免除へ 外相会談で中国EU関係強化も確認
中国がスウェーデン国民に対するビザ(査証)免除措置の実施に前向きな姿勢を示し、中国とスウェーデン、さらには中国とEUの関係に新たな一歩が刻まれようとしています。
中国がスウェーデン国民へのビザ免除に前向き
中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は、北京で行われたスウェーデンのマリア・マルメル・ステネルガード外相(Maria Malmer Stenergard)との会談で、スウェーデン国民に対するビザ免除制度を実施する用意があると表明しました。
王毅外相は、中国がスウェーデン国民向けのビザ免除政策を進める中で、スウェーデンが中国EU関係の「健全な発展」を後押しする建設的な役割を果たすことに期待を示しました。王氏は中国共産党中央政治局委員も務めています。
ステネルガード外相は、スウェーデンの外相として16年ぶりの中国訪問であることに触れつつ、中国がスウェーデン向けビザ免除政策を実施したことに謝意を表明しました。そのうえで、この政策がより多くのスウェーデンの人々の中国訪問を促すと見通しを語りました。
「競争相手ではなくパートナーに」中国側のメッセージ
王毅外相は、スウェーデンはEUの中でも重要な国であり、人民共和國としての中国と国交を樹立した最初の西側諸国の一つであると位置づけました。そのうえで、両国は「競争相手ではなくパートナー」という立場を堅持し、相違点よりも協力を優先させるべきだと強調しました。
また王氏は、スウェーデンが独立した戦略的思考と長期的な視野から、中国とスウェーデンの関係をとらえ、発展させていくことへの期待を表明しました。
2025年は中国とスウェーデンの国交樹立75周年にあたる節目の年です。王氏は、両国首脳の間で確認された合意を着実に実行し、経済・貿易分野などで設けられた各種対話の枠組みを活用するよう呼びかけました。
広がる協力分野:貿易からグリーン開発まで
王毅外相は、中国とスウェーデンが多国間の場での意思疎通と調整を深めるとともに、実務的な協力を広げていくべき分野として、次のようなテーマを挙げました。
- 貿易・投資
- 科学技術イノベーション
- デジタル経済
- グリーン開発(環境と経済の両立を目指す取り組み)
- ライフ・ヘルス分野(医療・健康など)
ステネルガード外相も、中国との関係を重視していると述べ、スウェーデンが一つの中国の方針を堅持していることを改めて確認しました。そのうえで、中国との間で互恵的でバランスの取れた経済・貿易関係を築きたいと強調しました。
さらにスウェーデン側は、次のような分野での協力拡大に意欲を示しました。
- 貿易・投資
- 科学技術イノベーション
- グリーン転換(環境に配慮した経済・社会への移行)
- 教育分野での連携
- 人的交流や文化交流の拡大
ビザ免除がもたらす変化
ステネルガード外相は、中国がスウェーデン向けのビザ免除政策を実施したことに対し、「より多くのスウェーデンの人々が中国を訪れることにつながる」との期待を示しました。
ビザ免除とは、短期の観光や出張などを目的とした渡航の際に、事前のビザ申請が不要となる仕組みを指します。手続きや費用の負担が軽くなることで、ビジネス、観光、文化交流など、さまざまな往来がしやすくなることが見込まれます。
両国が人的交流を拡大し、お互いの社会や文化への理解を深めていくうえで、ビザ免除は重要なインフラの一つと言えます。
中国EU関係と国際課題での連携
王毅外相は、今回の会談を通じて、スウェーデンが中国EU関係の「健全な発展」を促す建設的な役割を果たすことへの期待をあらためて示しました。
ステネルガード外相は、中国が国際社会で果たす重要な役割を評価するとともに、中国が開催した「女性に関するグローバル・リーダーズ会合」の成功を祝意をもって祝いました。また、気候変動への対応として、中国が新たな国別削減目標(NDC)を発表したことについても高く評価しました。
スウェーデン側は、開かれた自由な貿易システムを強く支持すると表明し、対話と協力を一層強化していくべきだと強調しました。
会談ではこのほか、ウクライナ危機をはじめとする国際・地域情勢についても意見交換が行われました。安全保障や気候変動、ジェンダーなど、複数のグローバル課題で中国とスウェーデンがどのように協調を深めていくかが、今後の焦点となりそうです。
これから注目したいポイント
国交樹立75周年という節目の年に合わせて、中国とスウェーデンは関係を「対立」ではなく「協力」の方向へと再定義しようとしています。今回のビザ免除措置や外相会談は、その流れを象徴する動きと言えます。
今後の注目ポイントを整理すると、次のようになります。
- スウェーデン国民向けビザ免除制度の具体的な運用内容(対象や滞在条件など)の発表
- 観光やビジネス往来がどこまで増えるかという実際の動き
- 貿易・投資、デジタル経済、グリーン開発やライフ・ヘルス分野での新たな協力プロジェクト
- 中国EU関係のなかで、スウェーデンがどのような「建設的な役割」を果たしていくか
- ウクライナ危機や気候変動、ジェンダー平等といった国際課題での協調の深まり
中国とスウェーデンのビザ免除と関係強化の動きは、EU全体との関係や国際協力のあり方にも影響を及ぼす可能性があります。今後の具体的な一歩を、引き続き追っていく必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








