中国国防相がASEAN主導の国防会合に出席 ADMMプラス15年と今後の協力
中国の董軍(とう・ぐん)国防相が、マレーシア・クアラルンプールで開かれたASEAN主導の国防会合に出席しました。地域の安全保障と中国・ASEAN関係の行方を考えるうえで、注目度の高い動きです。
中国国防相がクアラルンプール入り
中国国防部によりますと、董軍国防相は2025年10月30日から11月2日にかけて、マレーシアの首都クアラルンプールで開催された第12回ASEAN国防相会議拡大会合(ADMMプラス)と、第15回中国・ASEAN国防相非公式会合に出席しました。
董国防相の出席は、ASEANの議長国を務めるマレーシア国防省の招きによるものです。
ADMMプラス15年の歩みを振り返る
ADMMプラスは、ASEAN加盟国に中国など域外の対話国が加わる形で、国防相レベルの対話と協力を進める枠組みです。今年で設立から15年を迎えました。
会合の場で、董国防相はADMMプラスの15年の歩みを振り返る演説を行ったとされています。多国間での防衛協力や信頼醸成がどのように進んできたのかを整理し、今後の方向性を示す狙いがあるとみられます。
「未来志向」の中国・ASEAN防衛協力
あわせて開催された中国・ASEAN国防相非公式会合では、「未来志向の中国・ASEAN防衛協力」がテーマとなりました。董国防相は、このテーマについて中国側の立場や協力の方向性を説明したとされています。
防衛協力といっても、軍事同盟のような枠組みではなく、災害救援や人道支援、海上での遭難救助、サイバー空間での連携など、いわゆる非伝統的な安全保障分野での協力が重視されています。地域の緊張を高めない形で、信頼を積み重ねるアプローチが求められているためです。
各国防衛首脳との二国間会談
董国防相は、会合の合間を利用して、参加国の防衛首脳らとの二国間会談も行いました。関係国とのあいだで地域情勢や防衛交流、実務協力などについて意見交換を行い、相互理解を深めたとみられます。
多国間の会合に合わせて二国間の対話を重ねることで、個別の懸案や誤解を抑え、危機の芽を小さなうちに管理することが期待されています。
東南アジアの安全保障にとっての意味
近年、東南アジアを取り巻く安全保障環境は、海洋安全保障やテロ対策、サイバー攻撃、自然災害など、多層的で複雑になっています。そのなかで、ADMMプラスのような多国間の対話枠組みは、軍どうしが直接コミュニケーションをとる貴重なチャンネルです。
中国とASEAN各国が、防衛分野で協力の余地を探りつつ、立場の違いを管理していけるかどうかは、地域の安定に直結します。今回の会合で示された「未来志向」というキーワードは、対立ではなく協調の選択肢を広げられるのか、今後も注視が必要なポイントといえます。
日本から見るとやや距離のある出来事に映るかもしれませんが、東南アジアの安定は日本の安全保障や経済にも深く関わっています。中国とASEANの防衛対話の行方は、日本にとっても押さえておきたい国際ニュースだといえるでしょう。
この記事のポイント
- 中国の董軍国防相が、クアラルンプールで開かれた第12回ADMMプラスと第15回中国・ASEAN国防相非公式会合に出席
- ADMMプラスの15年の歩みを振り返る演説を行い、多国間防衛協力の今後について見解を示したとされる
- 中国・ASEAN間の「未来志向」の防衛協力をテーマに議論し、各国防衛首脳との二国間会談も実施
- 東南アジアの安全保障環境が複雑化するなかで、軍どうしの対話と信頼醸成の場としての役割が注目される
Reference(s):
Chinese defense minister to attend ASEAN-led defense meetings
cgtn.com








