スヌーカー国際選手権 ジャオ・シントンが大逆転、準決勝でウー・イーゼと対戦
スヌーカーのワールド・スヌーカー・ツアー(WST)国際選手権で、中国・南京開催の準々決勝は劇的な展開となりました。世界王者ジャオ・シントン選手が、元世界王者マーク・セルビー選手に6対5で逆転勝利し、準決勝で同じ中国出身のウー・イーゼ選手との全中国勢対決に進みます。
世界王者ジャオ・シントン、因縁の相手セルビーを破る
今回の試合は、ジャオ・シントン選手にとって特別な意味を持つ一戦でした。相手のマーク・セルビー選手は、世界選手権4度優勝の実績を持つトップ選手で、「レスターの道化師」とも呼ばれています。これまで直近5試合はいずれもセルビー選手が勝利しており、対戦成績でも分が悪い状況でした。
ジャオ選手は、ことし5月の世界選手権で優勝し、アジア勢として初めて「クルーシブル・キング」となったばかりです。一方で、新シーズン序盤は波のある結果が続いており、その流れをどう変えるかが注目されていました。その中でつかんだ接戦での勝利は、自身の自信を取り戻すうえでも大きな意味を持つと言えます。
試合の流れ:4−2からの見事な巻き返し
準々決勝は序盤、42歳のセルビー選手が主導権を握りました。ブレーク(1回の取り切り得点)55点と78点でフレームを重ね、さらに118点、97点とセンチュリーブレーク(100点以上)も飛び出し、4対2とリードを広げます。
しかしここから、28歳のジャオ選手がリズムをつかみます。
- ブレーク68点で1フレームを返す
- 続いて97点の高得点ブレーク
- さらに55点のブレークで3フレーム連取
この流れでジャオ選手が5対4と逆転し、あと1フレームで勝利というところまで迫りましたが、セルビー選手も意地を見せます。第10フレームで81点のブレークをたたき出し、試合は最終第11フレームの決定局にもつれ込みました。
勝敗を分けた最終フレームで、ジャオ選手は冷静さを保ち、63点のブレークを決めて勝利を確定させました。これが、セルビー選手から挙げた自身初の「逆転勝ち」となり、苦手意識を払拭する一戦となりました。
アジア初の「クルーシブル・キング」が示した成長
今回の勝利は、単なる1勝以上の意味を持ちます。世界選手権優勝という大きなタイトル獲得のあとでモチベーションやコンディションの維持に苦しむ選手も少なくない中、ジャオ選手は接戦のなかで集中力と勝負強さを示しました。
特に、かつて苦しめられてきた相手に対し、4対2のビハインドから冷静にスコアを積み重ねて逆転した点は、精神面の成長を印象づけます。アジア勢として初の世界選手権王者となった存在が、その後も継続的に結果を残せるかどうかは、スヌーカー界にとっても大きな関心事です。
準決勝はジャオ対ウー、中国勢同士のカードに
ジャオ選手の勝利により、準決勝ではウー・イーゼ選手との全中国勢対決が実現します。同じ国の選手同士が、世界のトップ大会でタイトルに近づくステージでぶつかる構図は、スヌーカーにおけるアジア、そして中国の存在感の高まりを象徴するものでもあります。
準決勝では、
- ジャオ選手が見せる世界王者らしい安定感と勝負強さ
- ウー選手がどこまで自分の持ち味を出せるか
- 同郷対決ならではの読み合いとメンタル面の攻防
といったポイントが注目されます。南京で続く国際大会の戦いは、アジア発のスター選手たちがどこまで世界の舞台をリードしていくのかを考えるうえでも、追いかけておきたいニュースです。
日本のファンにとっての意味
日本ではサッカーや野球に比べるとスヌーカーの知名度は高くありませんが、世界では英国やアジアを中心に人気の高いスポーツです。今回のジャオ選手とウー選手の活躍は、アジア勢が技術とメンタルの両面で世界の中心にいることを示す出来事と言えます。
配信や動画プラットフォームを通じて海外スポーツを身近に楽しめる今、スヌーカーの試合映像やハイライトをチェックしてみると、新しい「推しスポーツ」が見つかるかもしれません。
Reference(s):
Zhao Xintong to face Wu Yize in all-Chinese semifinal at snooker event
cgtn.com








