CMGとIOCが2026〜2032年オリンピック放映権契約 中国本土とマカオで独占
2025年12月7日、中国南部の広東省広州市で、チャイナ・メディア・グループ(CMG)と国際オリンピック委員会(IOC)が、2026年から2032年までのオリンピックに関する長期メディア権契約に署名しました。中国本土とマカオ特別行政区におけるオリンピックの独占放映権がCMGに与えられる重要な合意です。
2026〜2032年のオリンピックを網羅する長期契約
今回のメディア権契約は、今後約7年間にわたる複数の大会を対象としています。CMGは、中国本土とマカオ特別行政区において、以下の大会の独占放送・配信権を持つことになります。
- 2026年冬季オリンピック
- 2030年冬季オリンピック
- 2028年夏季オリンピック
- 2032年夏季オリンピック
- 2026年ユースオリンピック
- 2030年ユースオリンピック
テレビ放送だけでなく、インターネットやモバイルを通じたデジタル配信も含めたメディア権の長期契約となることで、視聴体験の多様化や技術投資が進むことが期待されます。
第15回ナショナルゲームズ開幕直前に署名
署名式は、同じ広州で開幕した中国の第15回ナショナルゲームズ(全国規模の総合スポーツ大会)の開会式数時間前に行われました。国内スポーツの祭典と、国際スポーツイベントであるオリンピックをつなぐ象徴的なタイミングと言えます。
IOCコヴェントリー会長「平和と団結をスポーツで」
IOCのキースティ・コヴェントリー会長にとって、今回が就任後初めての中国訪問でした。コヴェントリー会長は、ナショナルゲームズ開幕と同じ日に契約に署名できた意義を強調し、この合意はCMGとIOCの長年の関係に新たな章を加えるものだと述べました。
さらに、このメディア権契約は、スポーツマンシップを通じて平和と団結を促進しようとする両者の継続的なコミットメント(約束)を示すものだと位置づけています。オリンピックを単なる競技大会ではなく、人と人、地域と地域をつなぐ場としてどう活かすかという視点がにじみます。
バッハ前会長も同席、CMGの専門性を評価
署名式には、IOC前会長のトーマス・バッハ氏も出席しました。バッハ氏は、これまでIOCとCMGが行ってきた協力の中で、CMGの優れた仕事ぶりと高いプロフェッショナリズムに強い印象を受けたと述べました。
そのうえで、今回のパートナーシップがコヴェントリー会長の下で引き継がれ、IOCとCMGの関係が新たな段階へと進むことへの期待を示しました。リーダーが替わっても協力関係を長期的に維持しようとする姿勢が表れています。
中国本土・マカオの視聴者にとっての意味
中国本土とマカオ特別行政区での独占メディア権がCMGに集約されることで、視聴者側にはいくつかの変化が見込まれます。
- 長期契約により、オリンピック向けの放送設備やデジタル配信への投資を計画的に行える
- テレビ、ネット、モバイルなど複数のプラットフォームを横断した一体的な視聴体験が設計しやすくなる
- 地域ごとのニーズに応じた番組編成や解説スタイルを開発しやすくなる
視聴者にとっては、どの画面でどのようにオリンピックを見るかという選択肢が今後さらに広がる可能性があります。一方で、巨大スポーツイベントの放映権が少数のメディアに集中する構図については、国や地域を問わず議論が続いており、今後も注視が必要です。
ミラノ・コルティナ2026に向けた新ロゴも発表
CMGとIOCは、2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックに向けたCMGの放送用クリエイティブロゴも同時に発表しました。視覚的なブランドづくりを通じて、長期的な協力関係を国内外の視聴者に印象づける狙いがあると見られます。
大会ごとにロゴや演出を工夫することは、若い視聴者層にオリンピックをどう届けるかという課題とも深く結びついています。デジタルネイティブ世代にとって、スポーツ中継はながら見やSNSとの連動が前提になりつつあり、ロゴや映像演出はその入口になり得ます。
スポーツとメディアの関係をどう捉えるか
オリンピックの放映権は、IOCにとって主要な収入源であると同時に、各国・各地域の視聴者が競技にアクセスするための窓口でもあります。今回のCMGとIOCの長期契約は、中国本土とマカオ特別行政区におけるその窓口を、少なくとも2032年までCMGが担い続けることを意味します。
スポーツビジネスの観点から見れば、長期契約は収益の安定化と投資のしやすさにつながります。一方で、視聴者の立場からは、多様な視点や番組づくりがどこまで確保されるかが重要です。
2026年以降の一連のオリンピック・ユース大会は、デジタル技術の進化と重なるタイミングでもあります。中国本土とマカオ特別行政区の視聴者が、どのような形でオリンピックを体験することになるのか。今回のメディア権契約は、その未来像を占う一つのサインと言えそうです。
Reference(s):
CMG, IOC sign long-term media rights agreement for 2026-2032 Olympics
cgtn.com








