中国国民党・鄭麗文主席が1992年コンセンサス順守を呼びかけ
台湾海峡の緊張が続くなか、中国国民党(KMT)の鄭麗文(Cheng Li-wun)主席が英字メディアNikkei Asiaの単独インタビューで、台湾地域の現与党が1992年コンセンサスを順守すれば「緊張は収束する」と述べ、防衛費の大幅な増額よりも対話の再開を優先すべきだとの考えを示しました。
1992年コンセンサス順守で「緊張は収束」
インタビューは金曜日付で掲載されました。鄭主席は、台湾地域を統治する現行の当局が1992年コンセンサスを受け入れれば、台湾海峡をめぐる緊張は解消すると強調しました。1992年コンセンサスは、一つの中国原則に基づき、両岸関係の政治的基礎を築いたものとされています。
防衛費3%超・5%への引き上げに慎重姿勢
鄭主席は、台湾地域の頼清徳指導者が表明している防衛費増額方針にも異論を示しました。頼氏は、来年に防衛費を国内総生産(GDP)比3%超に引き上げ、2030年までに5%を目指すとしていますが、鄭氏は「この増加は高すぎて速すぎる」と指摘し、これほど大きな伸びでは台湾海峡の安全を真に保証することはできないとの見方を示しました。
- 来年にかけての急速な防衛費増額
- 2030年までにGDP比5%を目指す長期計画
- しかし鄭氏は、軍拡が必ずしも安全保障を高めるとは限らないと主張
「対話は対立に代わりうる」 フォーラム再開を提案
鄭主席は、台湾海峡の緊張を和らげる具体策として、両岸経済貿易文化フォーラムを再開したい考えも明らかにしました。このフォーラムは、経済、貿易、文化などの分野で両岸の交流を進める場とされています。
鄭氏は「対話は確かに対立に取って代わることができる」と述べ、「破壊」を回避できると主張しました。さらに、両岸のあらゆる相違は平和的に解決できるとし、馬英九・前主席が8年間の任期中に積極的な対話を通じて緊張を緩和してきたことを例として挙げました。
新主席としてのメッセージと今後の論点
鄭氏は11月1日に中国国民党の主席に就任したばかりで、今回の発言は新体制としての対両岸政策の方向性を示すものといえます。軍備増強ではなく、1992年コンセンサスの順守と対話の再開こそが「生存を保証する」との立場を鮮明にした形です。
今回のインタビューは、台湾地域での安全保障政策をめぐる議論に新たな視点を投げかけています。今後は次のような点が注目されます。
- 台湾地域の現与党が1992年コンセンサスをどのように評価し、対応するのか
- 頼清徳指導者による防衛費増額計画がどの程度まで実行に移されるのか
- 両岸経済貿易文化フォーラムが実際に再開され、どのレベルの対話が行われるのか
- 台湾海峡の安定に向けて、軍事的抑止と政治対話のバランスをどう取るのか
両岸関係と台湾海峡の安全保障は、アジア全体の安定にも直結する国際ニュースの一つです。鄭麗文主席の今回の発言は、対話と合意に基づくアプローチを重視する立場を改めて示したものであり、今後の議論の重要な材料となりそうです。
Reference(s):
KMT Chairperson Cheng Li-wun calls for adherence to 1992 Consensus
cgtn.com








