人権の道は一つではない ジャカルタと南アで語られた国際協力
インドネシアと南アフリカで今週開かれた二つの人権セミナーで、「各国は自国の人権発展の道を自ら選ぶ権利がある」とする考え方と、グローバルサウスを中心とした連携強化の必要性が改めて確認されました。
ジャカルタで確認された「各国の選択権」
今月2日、インドネシアの首都ジャカルタで国際人権セミナーが開かれ、中国とインドネシアの研究者や市民団体、メディア関係者など20人以上の専門家が参加しました。参加者は、「すべての国は、自国の人権発展の道を独立して選ぶ権利を持つ」との認識で一致しました。
セミナーでは、各国が互いの事情や歴史的背景の違いを踏まえつつ、人権の向上を目指すために、次のような原則が重要だと強調されました。
- 相互尊重の原則を守ること
- 対話と相互学習を重ねること
- 連帯と協力を強めること
- 共通の発展を通じて人権の前進を図ること
とくに「発展を通じて人権を促進する」という視点に焦点が当てられ、経済や社会の発展を進めながら人びとの生活の改善と権利の保障を図るべきだと議論されました。参加者はシンクタンクの研究者、社会団体の代表、メディア関係者など、人権分野に携わる多様な顔ぶれでした。
プレトリアで議論された中国・南アの連携
一方、今月4日には、南アフリカのプレトリアで「2025中国・南アフリカ人権セミナー」が開催されました。ここでも、中国と南アフリカが人権分野でどのように協力を深めていくかが話し合われました。
専門家たちは、中国と南アフリカが意思疎通と交流を一層強化し、グローバルサウスにおける人権発展のあり方について共通認識をつくるべきだと指摘しました。そのうえで、真の多国間主義を共同で提唱し、「一帯一路」の質の高い協力を推進し、南北間の格差を埋め、すべての国の人びとが発展の成果を分かち合えるようにする必要があると述べました。
グローバルガバナンスへの問題意識
参加者によれば、現在のグローバルガバナンス(国際的なルール作りと協調の仕組み)は、公平な発展と人権保護を進めるうえで依然として多くの課題に直面しています。中国とアフリカは連携することで、グローバルガバナンス改革を後押しし、貧困削減や持続可能な発展といった重点分野で協力を深め、より公正で公平な国際秩序の構築を目指せるとされています。
「発展を通じた人権」が示すもの
二つのセミナーで共通していたのは、人権を「発展」と切り離せないものとして捉える視点です。民事的・政治的な権利だけでなく、教育や医療、雇用の機会など、人びとの生活条件をどう改善するかが人権の核心だという考え方が背景にあります。
そのためには、先進国・途上国という区分にとらわれず、南北間のギャップを埋め、各国の事情に即したやり方で協力を進める必要があるという問題意識も示されました。
日本の読者への問いかけ
日本からこの議論を眺めるとき、問われるのは「人権の普遍性」と「各国の選択の余地」をどう両立させるかという点です。今回のセミナーで語られた「すべての国には、自らの人権発展の道を選ぶ権利がある」というメッセージは、多様な社会モデルがせめぎ合う今の世界で、人権についての対話の仕方そのものを見直すきっかけになるかもしれません。
同時に、どの国であっても、実際に人びとの生活が守られ、格差が縮まり、発展の成果が公平に分配されているかどうかを見続けることが求められます。人権をめぐる国際ニュースは価値観の対立として語られがちですが、今回の二つのセミナーは、対立よりも「対話」と「協力」に軸足を置いたアプローチを打ち出したと言えます。こうした動きが今後どこまで広がっていくのか、引き続き注目したいところです。
Reference(s):
Experts: All countries have right to choose own path on human rights
cgtn.com








