北京・通州 Randeng Pagoda 1400年の塔が見てきた都市の変化 video poster
1400年以上、通州を見守る「ランドマーク」
北京の東部に位置する通州区で、ひときわ目を引くシルエットがあります。北運河の西岸に立つ「Randeng Pagoda(燃灯塔)」です。高さ50メートルを超えるこの塔は、13層の八角形の構造を持ち、1400年以上にわたって通州の風景の中心であり続けてきました。
清代(1644〜1911年)には、運河を使って北京へ向かう商人たちが、遠くにこの塔を見つけると「もうすぐ北京だ」と胸をなでおろしたと言い伝えられています。Randeng Pagoda は、まさに「都への入口」を告げるランドマークだったのです。
運河の時代から高層ビルの時代へ
Randeng Pagoda が建つのは、北運河の西岸です。かつて運河は、物資や人が行き交う大動脈として機能し、通州はその中継拠点としてにぎわっていました。塔はそのそばに立ち、行き交う人々の目印になってきました。
2025年のいま、塔の周囲には現代的な高層ビルが並び、通州は「北京のサブセンター」として活気あるエリアへと姿を変えています。Randeng Pagoda と周辺の寺院や宮殿は、その最前列に立ちながら、静かに都市の変化を見届けています。
古い塔が教えてくれる「都市の記憶」
長い時間を生きてきた建築物は、歴史の教科書には載りにくい「生活の記憶」を伝えてくれます。Randeng Pagoda の場合、それは運河と商人の往来、そして北京へ向かう人々の期待や不安かもしれません。
- 水運の時代には、遠くから見える「道しるべ」だった
- 現在は、ガラス張りの高層ビルと並び立つ「時間の対比」を象徴している
- 通州という地域のアイデンティティを形づくる存在になっている
都市開発が進むと、どうしても古い建物は「効率が悪い」「使いにくい」と見なされがちです。しかし、Randeng Pagoda のようなランドマークが残ることで、人々は「この街がどこから来て、どこへ向かおうとしているのか」を具体的に思い描くことができます。
歩きながら感じる「重なり合う時間」
もし、あなたが通州の北運河沿いを歩くとしたら、視界には次のような風景が広がるはずです。
- 川のそばにそびえる、13層・八角形の古い塔
- その周りを囲む寺院や宮殿の建物
- 背景には、ガラスや鉄骨でできた現代的な高層ビル群
ひとつの視界の中に、古代のシルエットと現代のスカイラインが同居するーーそれは、時間がレイヤーのように折り重なっている都市ならではの体験です。写真を撮ってSNSに投稿するだけでなく、「この塔が見てきた1400年の変化はどんなものだったのだろう」と思いを巡らせてみるのも、旅や散歩の楽しみ方のひとつです。
このニュースから考えてみたい問い
Randeng Pagoda の物語は、北京の一角だけの話ではありません。大きく変化するアジアの都市に共通するテーマも投げかけています。
- あなたが暮らす街には、「帰ってきた」と感じるランドマークがありますか。
- もし再開発でその風景が変わるとしたら、どんな喪失や新しい価値が生まれるでしょうか。
- 歴史と開発、どちらか一方ではなく、両方を生かすために何ができるでしょうか。
通州の Randeng Pagoda は、北運河の時代から北京サブセンターの現在までをつなぐ「静かな証人」です。急速に変わる世界の中で、自分たちの街の「変わらないもの」と「変わっていくもの」をどう受け止めるか。そんな問いを、あらためて考えるきっかけを与えてくれます。
Reference(s):
cgtn.com








