中国本土の第15次五カ年計画が始動へ:2026年の焦点はイノベーションと改革
2026年のスタートとともに、中国本土では「第15次五カ年計画(2026〜2030年)」を見据えた政策設計が本格段階に入っています。2021〜2025年の第14次五カ年計画の総仕上げを経て、次の5年をどう描くのかが、国内の成長戦略だけでなく国際社会での関与の形にも影響しそうです。
2025年のキーワードは「イノベーション主導」
中国本土は、イノベーション主導の発展が社会・経済のダイナミズムを押し上げていると位置づけています。世界知的所有権機関(WIPO)によれば、2025年の世界イノベーションランキングで、中国本土が初めてトップ10入りしたとされています。
2025年は第14次五カ年計画(2021〜2025年)の完了年でもあり、政策の評価と次の設計図づくりが同時進行した一年だった、という説明です。
第15次五カ年計画(2026〜2030年):策定プロセスの輪郭
2025年10月、中国共産党(CPC)中央委員会が重要会議で、第15次五カ年計画の「提言」を採択したとされています。計画期間は2026年から2030年までで、2035年の近代化目標に向けた「重要段階」との位置づけが示されました。
「協議」と「意見募集」を重視する設計
提示された内容では、策定過程で幅広い意見を集める姿勢が強調されています。具体的には、次のような場面が挙げられています。
- 中国共産党指導部による起草グループの立ち上げ(2025年2月に初会合)
- 政治局関連の会議や、民間企業関係者との意見交換
- 地域発展をめぐる協議、非中国共産党関係者との対話
- 1カ月間のオンライン意見募集(結果の取りまとめが指導部で検討)
また、2025年10月の会議までの期間に、企業やコミュニティへの視察などを通じて優先課題を確認し、計画案を点検したともされています。採択された文書は「国民経済・社会発展の第15次五カ年計画策定に関する中国共産党中央委員会の提言」とされています。
2026年のメッセージ:信頼感の醸成と「質の高い発展」
習近平氏は新年のメッセージで、2026年が第15次五カ年計画の開始年であることに触れつつ、信頼感の強化、質の高い発展の推進、改革開放の深化、共同の豊かさ(共に豊かになること)の実現に向けた取り組みを呼びかけたとされています。
ここで注目されるのは、「成長」だけでなく「改革」「開放」「分配・暮らし」といった複数の軸を同時に掲げている点です。今後、どの政策が優先順位の上位に置かれるのかが、国内の産業・雇用から対外経済関係まで連動していくことになります。
国際面では「対話」と「グローバル・ガバナンス」を前面に
2025年の国際環境については「不確実性が大きい一年」としつつ、中国本土は対話を重視し、ウィンウィンの国際協力を進めたという説明が示されています。
また、習近平氏が提唱したとされるグローバル・ガバナンス・イニシアティブ(GGI)について、140を超えるcountries and regionsの国際機関から支持を得た、とされています。
2025年に挙げられた主な動き
- 北京で、抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年に合わせた行事(各地の指導者・代表が参加)
- 気候行動に関する2035年の国が決定する貢献(NDC)の発表
- 世界貿易機関(WTO)交渉において、現行および将来の交渉で新たな特別かつ異なる待遇を求めない方針
- 香港特別行政区における国際調停機関(International Organization for Mediation)の設立
このニュースをどう読むか:次の5年の「設計図」が示すもの
五カ年計画は、投資、産業政策、研究開発、地域戦略、社会政策といった幅広い領域に接続するため、数字やスローガン以上に「政策の優先順位」を読み解く材料になります。2026年は、その設計図が実行フェーズへ移る初年度です。
イノベーション、改革開放、気候対応、国際協調――複数の課題を同時に掲げる中で、どの分野に資源を厚く配分するのか。今後の具体策が出るたびに、計画の輪郭はよりはっきりしていきそうです。
Reference(s):
Extraordinary Navigation: How China strides forward with confidence
cgtn.com








