雪のバヤンブラーク草原に響くモリンホール(馬頭琴)—奏者サンブーの「故郷との対話」 video poster
2026年2月のいま、雪と風が支配する草原で鳴るモリンホール(馬頭琴)の音色が、遊牧の記憶と現在を静かにつなぎます。新疆ウイグル自治区バヤンブラーク草原で、奏者サンブーが山々を聴衆に、駆ける馬を友に、モンゴル民謡を奏でています。
モリンホール(馬頭琴)とは何か
モリンホールは、モンゴルの伝統的な擦弦(さつげん)楽器です。弓で弦をこすって音を出す仕組みで、深く伸びる響きが特徴だとされます。別名の「馬頭琴(ばとうきん)」が示す通り、馬と結びついたイメージが強い楽器でもあります。
舞台は新疆ウイグル自治区・バヤンブラーク草原
サンブーが演奏するのは、新疆ウイグル自治区のバヤンブラーク草原。山並みが遠くに重なり、風がうなり、雪が降り積もる環境そのものが、音の背景になります。屋内の静けさとは違い、自然音が常に入り込む場所での演奏は、音楽の輪郭を少しずつ変えていきます。
「山々を観客に、駆ける馬を友に」—サンブーの演奏
提供された断片情報によれば、サンブーは山々を観客に、疾走する馬を友として、モンゴル民謡を奏でます。強い風のうなりや舞い落ちる雪は“和声”のように重なり、蹄(ひづめ)の規則的な響きが“拍”を刻む。そうした草原の音風景の中で、広く魂のこもった旋律が立ち上がります。
自然が「伴奏」になる瞬間
- 風:持続する低い音として、旋律の余白を埋める
- 雪:視界をやわらげ、音の距離感を変える
- 蹄音:人の手で刻むリズムとは異なる、生き物のテンポ
時間と空間を越える「故郷との対話」
サンブーは、草原に向けて演奏することで「故郷」と時間と空間を越えて対話している、と表現されています。聴衆が目の前にいなくても、土地の記憶や身体感覚に向けて音を手渡すような行為は、音楽を“発表”ではなく“往復書簡”に近づけます。
モリンホールの旋律が描くのは、単なる郷愁というよりも、自然と暮らしの間にある関係の編み直しなのかもしれません。風雪と蹄音の中で立ち上がる一音一音が、いまこの瞬間の草原を、過去の故郷の輪郭へと重ねていきます。
Reference(s):
cgtn.com








