JD.com仏倉庫の盗難、パリ警察が大半回収 12月の大規模侵入事件
2025年12月にフランス・パリ近郊で起きた中国本土の通販大手JD.com運営倉庫への侵入盗が、2026年2月14日(土)、盗難品の「大部分を回収した」と当局が確認しました。欧州で拡大するEC(ネット通販)の物流現場にとって、セキュリティの課題が改めて浮かび上がっています。
何が起きたのか:2025年12月22日未明、プロの手口で侵入
盗難が発生したのは、パリの北側に位置するセーヌ=サン=ドニ県(Dugny)の物流拠点です。報道によると、侵入者は監視カメラを無効化し、警報システムを回避して施設に入りました。対象はスマートフォンやノートPCなどの電子機器で、当初は「5万台超」といった大きな推計も出ていました。
一方でJD.comは、その後初期に報じられた損害額は実態より大きかったと説明しています(具体的な最終額は本文情報の範囲では示されていません)。
回収は“2カ月捜査”の成果、盗難品は返却準備へ
フランス当局は国際機関の支援も得ながら約2カ月の捜査を進め、2月14日に「盗まれた在庫の大半を追跡・回収した」と発表しました。回収品は現在、警察側で手続き・確認作業が進められており、その後JD.comのサプライチェーン(供給網)へ戻される見通しです。
時系列で整理(現時点で分かっていること)
- 2025年12月22日未明:Dugnyの施設で侵入盗。カメラ無効化・警報回避とされる
- 当初報道:盗難規模は「5万台超」の推計も
- JD.com:損害は初期推計より小さいと説明
- 2026年2月14日:当局が「大部分回収」を確認
欧州展開は継続:新サービス「Joybuy」は3月開始予定
注目されるのは、セキュリティ侵害があった一方で、事業計画は止まっていない点です。JD.comは欧州向けの新しいオンライン小売プラットフォーム「Joybuy」を、2026年3月にフランス、ドイツ、英国で開始予定としています。
同社は海外インフラへの投資も継続する方針で、世界で130超の倉庫を運用しているとしています。今回の件を受け、再発防止のための警備・運用プロトコル(手順)の強化も進めるとしました。
このニュースが投げかける問い:物流の“最後の強度”はどこで決まる?
ECの利便性は、倉庫での保管から出荷までを支える物流の精度で成り立ちます。その裏側では、監視・入退室管理・警報といった多層の対策が、稼働効率とせめぎ合っています。
今回のように「プロの手口で無効化された」とされるケースでは、機器の強化だけでなく、次のような運用設計も焦点になりがちです。
- 監視カメラや警報の冗長化(一部が止まっても全体が止まらない設計)
- 異常検知から通報までの初動時間の短縮
- 高額在庫の配置や棚卸し頻度など、盗難されにくい在庫運用
回収が進んだことは流通への影響を抑える意味で大きい一方、拡大を続ける欧州EC市場では、物流拠点の安全対策が“コスト”ではなく“競争力”として扱われる局面が増えていきそうです。
Reference(s):
JD.com's French warehouse theft ends with most goods recovered
cgtn.com








