中国本土、民生用リモートセンシング衛星で世界第2位を維持
中国本土が民生用リモートセンシング衛星(地球観測衛星)の運用規模で世界2位を維持していることが、地理情報分野の業界団体による最新データで示されました。商業(民間)主導の打ち上げ増が続くなか、観測の“量”だけでなく“用途別の専用化”が進んでいる点も注目されます。
2025年だけで120機超、稼働中は640機超に
中国地理情報産業協会(China Association for Geographic Information Society)のデータによると、中国本土は2025年にリモートセンシング衛星を120機以上打ち上げました。これにより、稼働中の民生用衛星は640機超に達し、世界で2番目に大きい運用者としての順位を固めたとされています。
光学だけではない:天候や昼夜に左右されにくい観測体制
現在の軌道上の観測網は、単一方式ではなく複数のセンサーを組み合わせているのが特徴です。具体的には、以下の技術が併用されているといいます。
- 光学
- ハイパースペクトル(多数の波長帯で地表の特徴を捉える)
- 赤外
- マイクロ波
こうした構成により、天候や昼夜に左右されにくい継続監視が可能になると説明されています。
拡大のけん引役は「商業セクター」へ
政府プログラムの存在感は依然として大きい一方で、近年の急拡大を支える主因として商業セクターが前面に出てきている点が指摘されています。衛星の打ち上げが“目的別に増える”ことで、観測データの使い道もより具体的な産業領域へ伸びていく構図が見えてきます。
2025年の主な節目:高解像度と「用途特化」が同時に進行
昨年(2025年)は、いくつかの象徴的な打ち上げがありました。
高解像度の商用撮像:SuperView Neo-1 03・04
SuperView Neo-1 03および04の打ち上げは、商用の撮像能力の面で大きな節目とされ、現在、国内で最高解像度の商用画像資産に位置づけられています。
全偏波レーダーの商用衛星:AIRSAT-05(Haishao-2)
AIRSAT-05(別名Haishao-2)は、全偏波(フルポラリメトリ)レーダー能力を提供する、同種初の商用衛星とされています。レーダー観測は、天候や光の条件に影響されにくい監視ニーズと親和性が高いとされます。
鉱業・資源向け:Geology-1
Geology-1は、鉱業・鉱物産業向けに設計された小型ハイパースペクトル衛星として紹介されています。地表の材質や状態を波長情報から読み解く用途が想定されています。
電力分野専用:Power Engineering-1
Power Engineering-1は、電力セクターのニーズに特化した専用衛星として初だとされています。インフラの運用・保全に関わる観測需要が、衛星設計そのものを“縦割り”で変えていく流れを示す例とも言えます。
「数」から「設計思想」へ:地球観測の競争軸が変わる
今回のデータが示すのは、衛星の増加だけではありません。高解像度化と同時に、レーダーやハイパースペクトル、さらには産業向け専用機の投入が進み、地球観測が“汎用カメラ”から“目的別ツール”へ移行していることが読み取れます。
2026年に入った現在、地球観測データは防災、資源、インフラなど多様な意思決定に結びつきやすい領域です。衛星網の拡充が、どの分野で、どんな新しい使われ方を生むのか。今後の運用実績が静かに注目されます。
Reference(s):
China secures second place globally in civil remote sensing satellites
cgtn.com







