中国民間宇宙企業、主力ロケット「力箭2号」の量産体制整う
中国の民間宇宙企業であるCAS Space社が、主力液体燃料ロケット「力箭2号」の量産体制を整えました。同社はこのほど、東部浙江省紹興市に完成した新たな生産施設「スーパーファクトリー」の稼働を発表。同ロケットの開発段階から量産段階への大きな転換点を迎えています。
年間最大12基の生産能力を目指す
力箭2号ロケットの李勤豊副総設計師によれば、この新施設では、今後3年から5年をかけて年間最大12基のロケットを生産できる体制を構築する計画です。この規模は、現在の中国の民間ロケット製造においては大きな一歩と言えます。
「一貫生産」で供給網を強化
今回完成した工場の特徴は、主要部品の製造から組み立て、試験までを一つの建物内で完結させる「一貫生産」を実現した点にあります。具体的には、以下のような生産ラインが整備されました。
- 液体燃料タンクの製造ライン
- 配管・バルブの製造ライン
- ロケット各段を結合する構造体(インターステージ)の製造ライン
- ダクト(通風管)などの重要部品の製造ライン
これにより、力箭2号ロケットの重要なサプライチェーン(供給網)が内部で確立されました。外部への依存を減らし、生産の安定性とコスト管理の強化が期待されています。
民間宇宙産業の成長と世界での競争
中国本土ではここ数年、CAS Space社をはじめとする民間企業が商業用ロケットの開発・打ち上げを加速させています。今回の大規模量産施設の完成は、単なる一企業のニュースにとどまりません。それは、中国の民間宇宙産業が、試作や単発の打ち上げを超えて、持続可能なビジネスモデルと効率的な運用を追求する段階に入ったことを示す象徴的な出来事です。
世界的に小型衛星の需要が高まる中、安価で頻度高く信頼性のある打ち上げサービスを提供することは、宇宙産業における競争力の源泉です。年間12基という生産能力は、そのような国際的な需要に応え、中国の民間宇宙企業が世界市場で存在感を増すための重要な基盤となります。
2026年現在、宇宙へのアクセスをめぐるグローバルな競争はますます激しくなっています。今回の動きは、そうした大きな流れの中での、一つの着実な歩みと見ることができるでしょう。
Reference(s):
China's CAS Space builds rocket factory for Lijian-2's mass production
cgtn.com



