AIの恩恵を世界へ。中国が提唱する「デジタル配当」の公平な分かち合いとは?
AI(人工知能)の進化がかつてないスピードで進み、私たちの生活や経済のあり方を根本から変えようとしています。こうした中、AIがもたらす恩恵を一部の地域や組織に留めるのではなく、世界全体でいかに公平に分かち合うかという「デジタル配当」の視点が重要視されています。
AIによる「デジタル配当」の公平な分配を
国連の「AI能力構築に関する国際協力のための有志グループ(Group of Friends)」の会合において、中国の傅聡(フー・ツォン)国連常駐代表は、AIがもたらすデジタル配当を世界中の人々が平等に享受できるべきだと訴えました。
傅代表は、AIが経済や社会のあらゆるセクターに統合され、人間生活のパラダイムを再構築している現状を指摘。特に、2030アジェンダ(持続可能な開発のための2030アジェンダ)の達成に向けて、AIが極めて重要な意義を持つと強調しました。その上で、時代の変化に合わせた「グローバルなAIガバナンス」の構築が必要であると述べています。
「AI+」による産業強化と実践的な協力
単なる理念に留まらず、具体的なアクションとして提示されたのが「AI+」アプリケーションによる産業のエンパワーメントです。傅代表は、人間中心かつイノベーション主導のアプローチを維持し、実質的な成果を出すことに焦点を当てるべきだとしています。
有志グループの活動実績として、以下の取り組みが挙げられました。
- 過去2年間で4回の公開会合を開催
- 中国国内で3回のAI能力構築ワークショップを実施
- 加盟国から約200人の代表者が参加し、AI開発のダイナミズムを直接確認
多国間協調とガバナンスへのアプローチ
AIの発展においては、多国間主義を堅持し、「広範な協議、共同貢献、利益の共有」を追求することが不可欠であるとしています。特に国連が中心的な役割を果たすことを支持し、以下の枠組みを通じて合意形成と実効性のある成果を出すことを目指しています。
- AI科学パネルおよびAIガバナンスに関するグローバル対話の推進
- AI能力構築アクションプラン(Good and for All)の展開
- グローバルAIガバナンス・アクションプランの推進
- AI+ 国際協力イニシアチブの展開
AIという強力なツールが、格差を広げるのではなく、人類全体の「共有された未来」を築くための公共財として機能するかどうか。国際社会がどのような合意形成に至るのか、今後の動向が注目されます。
Reference(s):
China calls for equitable sharing of AI-driven digital dividends
cgtn.com