中国赤十字社が2025年の活動実績を公開:救急体制の拡充と地域社会のレジリエンス強化へ
5月8日の「世界赤十字・赤新月社の日」に合わせ、中国赤十字社が2025年における活動報告を公開しました。この報告からは、災害対応の迅速化だけでなく、救急医療のインフラ整備や公衆衛生への投資が大幅に加速している現状が浮かび上がっています。
災害への迅速な対応と、地域社会への浸透
過去1年間で、中国赤十字社は計228件の緊急作戦を展開しました。2,580もの救助チームが派遣され、投入された物資と資金は4億元(約5,500万ドル)を超えています。
特に注目されるのは、以下のような大規模事案への対応です。
- 北京および河北省で発生した深刻な洪水への救援活動
- 香港の太婆(Tai Po)で発生した火災への対応
また、ハード面での支援だけでなく、ソフト面での啓発活動にも注力しています。災害防止に関する講習会や避難訓練、安全ワークショップを4万6,000回以上実施し、延べ1,448万人にリーチしたとしています。
「街中どこでも救える」体制へ:AEDの普及とモバイル化
2025年、特に顕著な伸びを見せたのが、一般市民向けの応急処置トレーニングです。認定トレーニングを完了した人は621万人に達し、学校やコミュニティ、企業、政府機関、さらには交通拠点や農村地域まで、幅広く普及が進みました。
さらに、心停止などの緊急時に不可欠な自動外部式除細動器(AED)の配備も加速しています。
- 全国的な配備:2025年末までに8万6,000台以上のAEDを設置。
- モバイルAEDプログラム:北京や深圳を含む8都市で、配車サービス車両にAEDを搭載する試験的な運用を開始。
- 地域独自の取り組み:陝西省では「タクシーAEDガーディアン」計画を導入。
このように、固定設備としてのAEDだけでなく、移動手段に組み込むことで、救急車が到着するまでの「空白の時間」を埋める仕組みづくりが進んでいます。
命をつなぐ支援:子どもへの医療援助とドナー登録の拡大
医療支援の分野では、特に子どもたちへのサポートが重点的に行われました。中央宝くじ公衆福祉基金から拠出された3億3,400万元を活用し、白血病や先天性心疾患を抱える子どもたちを含む1万6,000人以上に医療援助を提供しました。
また、自発的なドナー登録の動きも活発化しています。
- 血液提供:地域赤十字血液提供チームに20万人以上のボランティアが参加。
- 造血幹細胞移植:中国骨髄バンク(CMDP)に17万件の新規登録があり、2,698件の非血縁者間移植を実現。
- 臓器提供:約28万5,000人が新たに自発的な臓器提供者に登録し、6,931件の提供が行われました。
中国赤十字社は、これらの成果について、中国本土における災害耐性の強化と公衆衛生上の安全確保に向けた継続的な取り組みを反映したものだとしています。社会全体のセーフティネットをいかに実効的なものにするかという課題に対し、デジタル技術の活用と市民の意識向上の両面からアプローチしている様子が伺えます。
Reference(s):
Red Cross Society of China launched 228 emergency responses in 2025
cgtn.com