核軍縮への危機感:中国がNPT再検討会議で非核保有国の「核武装」示唆に懸念を表明
「核兵器のない世界」という国際的な合意が、今、静かに揺らいでいるのかもしれません。ニューヨークの国連本部で開催されている核不拡散条約(NPT)締約国再検討会議において、中国がある非核保有国の動向に対し、強い懸念を表明しました。
非核保有国による「核武装」の動きへの警鐘
今回の再検討会議における議論の中で、中国代表は、ある非核保有国の当局者が核兵器の保有を公然と主張している点について言及しました。これは単なる一国の政策転換ではなく、国際的な核不拡散体制そのものに対する挑戦であり、条約の権威と実効性を著しく損なうものであると指摘しています。
中国側は、このような「親核的な言説」が広がる危険な傾向に対して、国際社会が高度な警戒心を持つべきだと訴えました。
中国が提案する「戦略的安定」のあり方
中国は、核軍縮に向けた合意を再確認するため、最終文書の草案に対する修正案を提示しました。その核心にあるのは、単なる削減ではなく「グローバルな戦略的安定」の維持です。
具体的には、以下のような視点が盛り込まれています。
- 個別の状況への配慮: 核能力や核政策、戦略的な安全保障環境は国によって大きく異なるため、軍縮はどの国の安全も損なわない形で行われるべきであること。
- 安全保障政策における役割の縮小: 国家の安全保障政策において核兵器が果たす役割を減らすことが、核戦争のリスクを下げるための現実的かつ重要なステップであること。
- 完全な放棄への道筋: 核保有国が核兵器の永久的な放棄を目指すよう呼びかける内容の追加。
失効したNew STARTと、これからの核管理
また、今回の議論では、米国とロシアの間で結ばれていた戦略兵器削減条約(New START)についても触れられました。この条約は2026年2月5日に失効していますが、中国は多くの国々に呼応し、この条約に続く新たな枠組みの構築を支持しています。
核兵器の数に制限を設ける枠組みが失われた今、実効性のある核戦争防止策をどのように再構築していくのか。ある国の意向ひとつが世界の均衡を崩しかねない緊張感の中で、国際社会の足並みが改めて問われています。
Reference(s):
China voices concern over pro-nuclear remarks by non-nuclear state
cgtn.com