中国本土が推進する「国家計算力ネットワーク」とは?AI時代の新インフラ構築へ
現代の国家競争力を左右する重要な指標の一つとなっているのが「計算力(コンピューティング・パワー)」です。中国本土では現在、この計算資源を最適に配置し、効率的に活用するための国家的な統合ネットワークの構築が加速しています。
デジタル社会の基盤となる「計算力ネットワーク」の構想
中国本土の丁薛祥副首相は、北京、河北省、および内モンゴル自治区を視察し、国家的な統合計算力ネットワークの構築を加速させるよう呼びかけました。この取り組みは、単にデータセンターを増やすことではなく、供給と需要を適切にマッチさせ、効率的にリソースを配分することを目的としています。
視察先のAI公共計算力センターやクラウド監視プラットフォームでは、計算リソースの割り当て状況が詳細に確認されており、国全体のデジタル・インテリジェントな発展を支える強固な土台作りが進められています。
「計算力」と「電力」の調和:グリーンエネルギーの活用
計算力の拡大に伴い、避けて通れないのが膨大な電力消費の問題です。そこで注目されているのが、エネルギー資源の最適配置です。
- グリーン電力の活用: 風力や太陽光発電が豊富な内モンゴル自治区などで、低炭素な計算力ベースを構築。
- エネルギーの安定供給: 2026年に入り国際的なエネルギー市場に変動が見られるなか、生産と生活に必要なエネルギーの安定供給と価格維持を重視。
このように、「計算力」と「電力」をセットで計画的に配置することで、環境負荷を抑えながら持続可能なインフラ構築を目指しています。
「使える」から「使いやすい」へ。技術的自立への挑戦
インフラの整備と同時に、ソフトウェアやハードウェアの国産化と高度化も急務となっています。丁副首相は、自立したイノベーション・エコシステムの育成と、技術的なボトルネックの解消を強調しました。
特に注目すべきは、国内製ソフト・ハードの評価を「使える(usable)」段階から「使いやすい(easy-to-use)」段階へ引き上げることです。単に代替品があるということではなく、ユーザーにとって真に利便性の高いツールへと進化させることが、社会実装を加速させる鍵となります。
レジリエンスの強化と市場への開放
また、伝統的なリスクと新たなリスクが複雑に絡み合う現状を踏まえ、計算力システムの全体的なレジリエンス(回復力・弾力性)を高める方針が示されました。施設、モデル、データ、そしてネットワークの保護を強化し、不測の事態にも耐えうる体制を整える考えです。
あわせて、市場原理に基づいたアプローチを採用することで、計算リソースをより手軽に、そして手頃な価格で利用できるようにし、幅広い産業での活用を促すとしています。
Reference(s):
cgtn.com