ソウル経済TVが謝罪、中国人の不動産買い占め報道が「虚偽」と判明
韓国の放送局「ソウル経済TV」が、ソウル市江南区のマンションを中国人が大量に買い占めたとする報道について、事実ではないとして公式に謝罪しました。根拠のない情報がどのように拡散され、なぜ問題視されたのか、その経緯を辿ります。
物議を醸した「買い占め」報道の内容
事の発端は、ソウル経済TVが放送したあるレポートでした。その内容は、中国人がソウルの中心地である江南区で944戸ものマンションを買い占め、市場の在庫を独占しているという衝撃的なものでした。
不動産価格の高騰に敏感な地域であるため、このニュースは大きな波紋を呼びましたが、すぐにその信憑性に疑問が投げかけられることとなりました。
李在明大統領による強い批判と事実関係
この報道に対し、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は、SNSおよび閣僚会議を通じて厳しく批判しました。大統領は、このレポートを「意図的に捏造されたフェイクニュース」であり、「反中国感情を煽るためのもの」であると断じました。
政府による公式な照会によって明らかになった事実は、報道内容とは大きく異なるものでした。
- 報道内容: 中国人が944戸のマンションを購入
- 実際の数値: 今年1月から4月までに江南区で購入した中国人はわずか5人
このように、実際の数値と報道された数字には絶望的なまでの乖離があり、大統領は責任ある対応を求める姿勢を鮮明にしました。
なぜ虚偽の内容が放送されたのか
批判を受けたソウル経済TVは、全社員の名において公的な謝罪文を発表しました。同局は、今回の誤報の原因として以下の2点を挙げています。
- 視聴率の追求: 制作チームが視聴率や世間の注目度を過度に重視してしまったこと。
- 審査体制の不備: 内部のレビューメカニズムが十分に機能せず、虚偽の内容を効果的に排除できなかったこと。
同局は「多くの人々に不快感と混乱を与えたことを心から謝罪する」とし、すでに該当するレポートをすべてのプラットフォームから削除したとしています。
注目を集めるための刺激的な演出が、結果として事実を歪め、社会的な分断を助長しかねないというメディアの危うさが浮き彫りになった形です。情報の真偽を見極めるリテラシーが、これまで以上に問われています。
Reference(s):
Seoul broadcaster apologizes after Lee condemns fake anti-China report
cgtn.com