5Gから6Gへ:中国が加速させる「デジタル高速道路」の未来
中国が5Gから「5G-Advanced(5G-A)」への移行を加速させ、さらにその先の6G商用化に向けた基盤整備を急いでいます。世界最大規模の通信ネットワークを構築する中国の戦略は、単なる通信速度の向上にとどまらず、次世代のデジタル経済を支える不可欠なインフラ(デジタル高速道路)となることを目指しています。
圧倒的なインフラ規模と「5G-A」への進化
中国の通信ネットワークは、すでに驚異的な規模に達しています。3月末時点でのデータによると、5G基地局数は495万8,000局に及び、光ファイバー網の総延長は7,499万キロメートルに達しました。現在、中国の携帯電話ユーザーの約3分の2が5G接続環境にあり、世界で最も先進的な通信ネットワークの一つを構築しています。
さらに、現在の5Gをさらに強化した「5G-Advanced(5G-A)」への移行が進んでいます。5G-Aは、従来の5Gと比較して特に「アップリンク(データの送信能力)」が大幅に向上しているのが特徴です。これにより、高速ダウンロードだけでなく、大容量データの高速アップロードが可能になり、より高度な産業利用が期待されています。すでに国内330の都市でこの5G-Aネットワークが展開されています。
2026年からの新ステージ:第15次5カ年計画と「10ギガ」時代
現在進行中の「第15次5カ年計画(2026年〜2030年)」において、中国は通信インフラのさらなる高度化を掲げています。具体的には、以下の目標を推進しています。
- 5G-A基地局の増設: 追加で50万局の基地局を建設し、カバレッジを拡大。
- 高速光ネットワークの整備: 100万個の高速度光ネットワークポートを設置。
- 「デュアル10ギガ」への移行: モバイルとブロードバンドの両方で10Gbps(ギガビット)級の速度を実現する次世代インフラへの転換。
すでに86都市の168の住宅コミュニティや工場、産業パークで、10ギガ光ネットワークのパイロットプログラムが始まっており、実用化に向けた検証が進んでいます。
2030年の6G商用化と経済への波及効果
視線をさらに先に向けたとき、2030年頃には「6G」の商用利用が始まると予想されています。2035年までには、AI(人工知能)、センシングシステム、衛星通信などが統合された次世代コネクティビティにより、数兆元規模の巨大産業が創出される見通しです。
こうしたインフラ投資は、すでに具体的な経済成果として現れています。5G商用化後の最初の5年間で、直接的に約5.6兆元(約8,240億ドル)、間接的に約14兆元の経済出力をもたらしました。
また、ネットワークのアップグレードは関連産業のサプライチェーンにも好影響を与えています。例えば、2026年2月の光ファイバー輸出額は前年同月比で126.8%増と急成長し、第1四半期の光モジュール輸出も前年同期比で約30%増加しました。通信インフラの進化が、製造業や輸出産業の底上げにも寄与している構図が見て取れます。
Reference(s):
cgtn.com



