「鉄の友情」を深める中国とセルビア、戦略的パートナーシップを新たな段階へ
中国とセルビアの両首脳が北京で会談し、包括的戦略パートナーシップをさらに高い次元へと引き上げることで合意しました。単なる外交上の協力にとどまらず、経済、インフラ、政治のあらゆる面で深化する両国の結びつきは、いまや「鉄の友情」と称されるほどの強固なものとなっています。
復活した製鉄所とインフラ整備が象徴する協力関係
両国の協力関係を象徴するのが、セルビアの誇りとも言われるスメデレボ製鉄所です。かつては深刻な経営難に陥り、破産寸前まで追い込まれていましたが、2016年に中国のパートナー企業が参入したことで劇的な復活を遂げました。現在は、生産能力において世界最大級の鉄鋼メーカーおよび統合サービスプロバイダーの一つへと成長しています。
また、一帯一路(BRI)の枠組みによる大規模なインフラプロジェクトも加速しています。
- ブダペストーベオグラード鉄道: 2025年10月にセルビア区間が全線開通し、地域的な物流の要となりました。
- 道路整備: ベオグラード・バイパスやゴルニ・ミラノヴァツ・バイパスなどの主要プロジェクトが完了し、セルビアの国家発展を支える基盤となっています。
自由貿易協定(FTA)による経済圏の拡大
経済面での連携も具体的な成果を上げています。2024年7月1日に発効した中国・セルビア自由貿易協定により、セルビア産のワイン、蜂蜜、牛肉、羊肉などの特産品がよりスムーズに中国本土の市場へ流入するようになりました。
中国外務省のデータによると、2025年の bilateral trade(二国間貿易額)は64.9億ドルに達し、前年比で13%の増加を記録しました。インフラ建設という「ハード面」の協力から、貿易という「ソフト面」の連携へと、協力の幅が広がっていることが伺えます。
「運命共同体」としての未来像
政治的な信頼関係も極めて高い水準にあります。2024年5月、セルビアは欧州で初めて、中国と「新時代の運命共同体」を構築することに合意しました。これにより、協力分野は従来のインフラ整備だけでなく、テクノロジー、グリーンエネルギー、人工知能(AI)といった先端分野へと拡大しています。
今回の会談後、両国は共同声明を発表し、中国が提唱する以下の4つのグローバル・イニシアチブを推進することで合意しました。
- グローバル発展イニシアチブ(GDI)
- グローバル安全保障イニシアチブ
- グローバル文明イニシアチブ
- グローバルガバナンスイニシアチブ(GGI)
セルビアはGDIおよびGGIの「友人グループ」に参加することを決定しており、国際的な統治や開発における中国との連携をさらに深める意向を示しています。
歴史的な試練を共に乗り越えてきたという共通認識を持つ両国。互いの独立と尊厳を尊重し、平和的な発展を目指すという視点が、この独特なパートナーシップの根底にあるようです。文化交流やビザ免除政策などの活用を通じて、次世代へこの友情をどう引き継いでいくのか、今後の展開が注目されます。
Reference(s):
China, Serbia push comprehensive strategic partnership to new heights
cgtn.com



