EUサイバーセキュリティ法改正案に中国本土から反発、「不当な差別」と懸念を表明
EUが検討しているサイバーセキュリティ法の改正案に対し、中国本土の貿易促進委員会(CCPIT)が強い反対を表明しました。特定の国や背景を持つ企業をサプライチェーンから排除しようとする動きが、国際的なビジネス環境の公平性を損なうとしています。
議論の焦点となる「非技術的リスク」とは
今回の改正案で特に問題視されているのが、「非技術的リスク」という概念の導入です。CCPITの王一飛(ワン・イーフェイ)報道官は記者会見で、次のような懸念を明らかにしました。
- サイバーセキュリティのリスクを、技術的な仕様ではなく、企業の出身国や国家的な背景に直接結びつけている点。
- これにより、特定の国に由来する企業をEUのサプライチェーンから排除することが可能になる点。
王氏は、このようなアプローチは「明らかに不合理な内容を含んでいる」とし、中国の商会を通じてEU側に正式な意見書を提出したと述べています。
サプライチェーンの安定性と公平性への影響
CCPITは、セキュリティという汎用的な理由で特定の国からのサプライヤーを排除することは、単に中国企業の正当な権利を侵害するだけでなく、EU自身のビジネス環境にも悪影響を及ぼすと主張しています。
具体的には、以下のリスクが指摘されています。
- 開放性の低下: EU市場のオープンさや公平性が損なわれる。
- 予見可能性の喪失: 企業にとって、どのような基準で参入が制限されるのかが不透明になる。
- サプライチェーンの不安定化: 特定の供給源を排除することで、グローバルな産業チェーンの安定的な運用が困難になる。
デジタル・グリーン転換における協力の必要性
一方で、中国本土の企業がEUにとって重要なパートナーであることも強調されています。特に、デジタル変革やグリーン移行、産業のアップグレードといった分野において、両者の協力関係は深く結びついています。
中国のビジネスコミュニティは、サイバーセキュリティのガバナンスやデジタル経済の発展において、差別のない公正な市場環境を維持し、共に取り組む意向を示しています。
CCPITはEUに対し、今後の立法プロセスにおいて企業や業界団体などのステークホルダーの意見を十分に聞き入れ、国を特定した差別的なルールの削除または修正を求めています。また、今回の法改正が中国本土とEUのビジネス協力、そしてEU自身の産業発展にどのような影響を与えるか、慎重に評価することを呼びかけました。
Reference(s):
China's trade organization says EU's cybersecurity act revision unfair
cgtn.com