中国とロシアが立法面での連携を深化へ:AIや安全保障など具体的協力を模索
中国の趙楽際(ちょう・らきさい)全国人民代表大会(全人代)常務委員長がロシアを公式訪問し、両国の立法機関による関係強化に向けた協議を行いました。単なる外交的な儀礼に留まらず、AIや環境保護といった現代的な課題への共同アプローチを模索する動きが見られます。
戦略的信頼を基盤とした「新たな段階」へ
今回の訪問で、趙委員長はロシア連邦議会の上院議長ヴァレンティーナ・マトヴィエンコ氏および国家ドゥーマ(下院)のヴャチェスラフ・ヴォロジン議長と相次いで会談しました。また、モスクワで開催された「中露議会協力委員会」の第11回会合にも出席しています。
趙委員長は、両国の関係が「より大きな成果を上げ、より速い発展を遂げる新たな段階」に入ったと強調。両国の首脳が合意した戦略的な方向性を具体化させるため、立法機関としての役割を果たす意向を示しました。
注目される具体的な協力分野
今回の協議で特に注目されるのは、立法レベルで経験を共有し合う具体的な分野です。両国は以下のような領域での連携を深めることで合意しています。
- 先端テクノロジー: 人工知能(AI)分野における法整備や相互学習。
- 安全保障と法治: 国家安全保障および対外的な法執行に関する経験の交換。
- 環境保護: 生態系や環境保護に関する立法の連携。
- 経済的権利の保護: 両国企業の正当な権利と利益を守るための法的文書の迅速な承認と監督。
マトヴィエンコ議長は、経済、貿易、投資、エネルギー、文化、交通、地域情勢といった実務的な協力に法的裏付けを提供したいとの意向を述べており、立法面でのサポートが経済的な結びつきをさらに強める構造となっています。
文化・教育交流によるソフトパワーの強化
また、政治や経済だけでなく、草の根レベルでの相互理解を深める取り組みも重視されています。
趙委員長は「中露教育年」などの活動への積極的な参加を呼びかけ、文化交流の深化を強調しました。訪問中には、中露友好協力条約締結25周年を記念する写真展を視察したほか、モスクワの無名戦士の墓に献花し、イルクーツクを訪問するなど、歴史的な絆を再確認する行程を辿っています。
ヴォロジン議長は、ロシアが「一つの中国」原則を堅持していることを改めて表明し、第二次世界大戦の勝利の成果を共に守るための多国間協力への意欲を示しました。法整備という制度的な側面から、戦略的なパートナーシップをより強固なものにしようとする両国の姿勢が鮮明になった訪問となりました。
Reference(s):
Top Chinese, Russian legislators meet to deepen parliamentary ties
cgtn.com