米イラン、ホルムズ海峡で緊張継続。外交の「調整役」オマーンが抱えるジレンマ
世界のエネルギー輸送の要所であるホルムズ海峡を巡り、米国とイランの緊張が再び高まっています。海上封鎖を巡る米軍の行動と、それに対抗するイラン、そしてその間で難しいバランス調整を迫られるオマーンの現状について見ていきましょう。
米軍による船舶の停止と、揺れる政策
米国中央軍(CENTCOM)は、ガンビア船籍の船舶「M/V Lian Star」がイランの港に向かっていたため、これを停止させたことを明らかにしました。CENTCOMによると、国際水域を航行していた同船に対し、米国の封鎖に違反しているとして20回以上の警告を行ったとしています。
今回の事態で注目されるのは、米国内での政策的な整合性です。
- 現場の行動:封鎖導入以来、米軍は5隻の商業船を停止させ、116隻を転送させている。
- 政治的な方針:ドナルド・トランプ米大統領は先週金曜日、ホルムズ海峡におけるイラン船舶への封鎖を解除すると発表していた。
大統領の発表があった直後の土曜日に停止措置が行われたことで、現場の運用と政治的な方針の乖離が浮き彫りになっています。
イランによる「完全な管理権」の主張
一方のイランは、この戦略的な水路に対する支配権を改めて強く主張しています。イランのハタム・アルアンビア中央本部は、武装力がホルムズ海峡の管理について「完全な権限」を行使していると表明しました。
具体的にイラン側は以下の条件を提示しています。
- 商業船やタンカーを含むすべての船舶は、イランが指定したルートを利用すること。
- イラン革命防衛隊(IRGC)海軍からの許可を得ること。
さらにIRGC海軍は、米国の干渉があれば「厳格な軍事的対応」で応じるとしており、緊張状態は依然として解消されていません。
板挟みのオマーン:地域の安定と安全保障の狭間で
この激しい対立の中で、地理的に隣接するオマーンが難しい立場に置かれています。オマーンは伝統的に、米国とイランの両方と良好な関係を維持する「調整役」としての役割を担ってきました。
オマーン外交省は金曜日、イラン側と「それぞれの領海における責任に基づき、航行の自由と安全を維持し、地域の利益を守る」ことで合意したと発表しました。その一方で、スコット・ベセント米財務長官は、オマーン側から「戦略的水路を通過する船舶に通行料を課さない」という確約を得たと述べています。
中国国際問題研究院の李子新(Li Zixin)氏は、オマーンが直面しているジレンマについて次のように分析しています。
オマーンはイランと海峡を共有しているため、テヘラン(イラン政府)を追い詰めることはできず、また海峡が米軍介入の最前線になることも避けたいと考えています。同時に、長年の安全保障パートナーである米国からの制裁リスクも警戒しなければならず、非常に繊細なバランス取りを強いられている状況だといえます。
Reference(s):
US, Iran continue to spar over Hormuz, Oman seeks to balance ties
cgtn.com



