中国本土が2026-2030年の都市再開発計画を発表、「15分圏内の生活圏」で暮らしの質を向上へ
中国本土が、第15次5ヵ年計画期間(2026年〜2030年)に向けた都市再開発計画を明らかにしました。今回の計画の核心は、単なる建物の建て替えではなく、住民の日常生活の利便性と都市のレジリエンス(回復力)を底上げし、現代的な都市環境へとアップデートすることにあります。
「15分コミュニティ生活圏」がもたらす心地よい日常
今回の計画で最も注目されるのが、「15分コミュニティ生活圏」というコンセプトです。これは、住民が徒歩15分圏内で日々の必要なサービスにアクセスできる環境を整えるというものです。
- 生活利便性の向上: 食料品店やコンビニエンスストア、保育施設、高齢者ケア施設などへのアクセスを容易にします。
- 健康とウェルビーイング: 12万8,000ヘクタールに及ぶスポーツ施設の建設や改修を目標としています。
- インクルーシブな設計: 高齢者に優しく(エイジフレンドリー)、子どもに配慮し(チャイルドフレンドリー)、バリアフリーなコミュニティづくりを推進します。
老朽化した住宅地の刷新と安全性の確保
築20年以上の古い住宅コミュニティに対し、重点的な点検と改善が行われます。これまで不便さを感じていた古い住宅地が、より快適で住みやすい空間へと生まれ変わる見込みです。
具体的な改善内容
- 設備アップデート: 条件が整った場所へのエレベーター設置、上下水道や電力パイプラインの更新、道路の補修。
- 環境整備: 駐車スペースの確保、植栽などの景観改善、およびセキュリティ設備の強化。
- 大規模な対象範囲: 約11万5,000の古い都市住宅コミュニティと、約4,000の「都市村(都市部に取り残された農村的な集落)」が改修対象となります。
また、都市の安全性を高めるため、危険な住宅の解消や建物の補強、地震や構造的な劣化に対する耐性の強化も重要な柱となっています。具体的には、約50万戸の老朽住宅の改修と、36万5,000キロメートルに及ぶ地下ユーティリティ・パイプラインの更新が計画されており、断水やガス漏れ、都市型洪水のリスク軽減を目指します。
緑豊かな都市と巨大な経済波及効果
ハード面だけでなく、環境面への配慮も盛り込まれています。2万ヘクタールの公園や緑地を整備し、市民がより自然に触れやすい都市設計へとシフトします。
こうした大規模な再開発は、経済活動にも大きな刺激を与えると見られています。建設資材としての鉄鋼需要だけでなく、住宅の刷新に伴う家具や家電製品への消費拡大が期待されます。
信用格付会社の中国 Securities Credit Investment Pengyuanによると、この第15次5ヵ年計画期間における都市再開発市場は、約20兆元(約2.8兆ドル)に達すると予測されています。その内訳として、古い住宅コミュニティの改修だけで8兆元超、地下パイプラインの更新に約4兆元が投じられる見込みで、特にパイプラインの30%にはスマートシステムが導入される計画です。
Reference(s):
What's new in China's newly released urban renewal plan (2026-2030) ?
cgtn.com