中国の女性たちが刻む「herstory」──4人の30歳が映すこの30年 video poster
中国で30歳という節目を迎えた4人の女性の物語が、いま注目されています。がん治療と妊娠、産業技術、自立した働き方、オンラインでの情報発信——それぞれの現場から、「女性の30年」と中国社会の変化が見えてきます。
「30」という数字がもつ重み
あなたにとって、30歳はどんな意味を持つでしょうか。キャリアの転機、家族や出産を考え始める時期、あるいは自分らしい生き方を選び直すタイミングかもしれません。2025年のいま、20〜30代の多くがそうした選択に直面しています。
中国では、この30年間を通じて、女性の生き方も大きく変わってきました。生まれたばかりの泣き声から、社会に響く力強い声になるまで——女性たちの歩みに寄り添ってきた30年の積み重ねが、4人のストーリーに凝縮されています。
がん治療と「母になる権利」を守る Ruan Xiangyan 医師
Ruan Xiangyan 医師にとって、「30」は化学療法や放射線治療を受けた女性の「母になる権利」を守るための重要な旅路を示しています。がん治療は命を救う一方で、将来の妊娠や出産に大きな影響を与えることがあります。
Ruan 医師は、そうした治療を経験した女性が、希望すれば将来母親になる選択肢を持てるよう、医療の現場で支援を続けてきました。病と向き合う不安のなかで、「その先の人生」まで見据えたサポートがあるかどうかは、当事者の心を大きく支えます。
産業の最前線を支えるエンジニア Ding Wenhong 氏
中国の National Outstanding Engineers の一人である Ding Wenhong 氏にとっての30年は、大規模な冷間連続圧延技術という産業の要となる分野で、「自前の技術」を築くために挑み続けた10年の積み重ねです。
高度な金属加工の技術は、自動車や建設など多くの産業の基盤となります。その中核に女性エンジニアがいるという事実は、理工系の分野で活躍するロールモデルとしても大きな意味を持ちます。日々の試行錯誤の先にあるのは、国の産業を支える誇りと責任です。
専業主婦から新しいスタートへ Ma Ayingshe 氏
かつて専業主婦だった Ma Ayingshe 氏にとって、30は「再出発」を象徴します。彼女はホームステイ関連の研修プログラムに参加し、民宿の運営など新しい働き方に挑戦することで、人生の第二章を開きました。
家事や育児に専念してきた人が、再び社会に出るときには、不安も期待も大きくなります。研修や学びの機会があることで、スキルだけでなく、自分はもう一度チャレンジできるという自信を取り戻すことができます。
不確実な時代に希望を発信する Zhang Jin 氏
女性の健康に関するコンテンツを発信する Zhang Jin 氏にとって、30は不確実さのただ中で、それでも前に進もうとする希望と粘り強さの象徴です。
SNSや動画配信を通じて、月経や妊娠、メンタルヘルスなど、これまで語られにくかったテーマに光を当てることで、多くの女性が自分の体と向き合い、安心して情報にアクセスできる環境づくりに貢献しています。オンライン空間は、ときに不安や誤情報も生みますが、信頼できる声があることで、そこが支え合いの場にもなり得ます。
無数の「彼女」の物語がつくる「herstory」
Ruan Xiangyan 医師、Ding Wenhong 氏、Ma Ayingshe 氏、Zhang Jin 氏——4人の歩みは、決して特別な有名人の伝記ではなく、中国で暮らす多くの女性たちの物語と地続きにあります。
この30年間、中国は女性の権利や選択に寄り添いながら、ともに歩んできました。医療、産業、地域の仕事、オンラインコミュニティ。それぞれの現場で積み重ねられた日々が、やがて「history(歴史)」を、女性の視点から描き直した「herstory」へと変えていきます。
2025年を生きる私たちにとっても、「30」という節目は、自分の人生をどう描きたいかを静かに問いかけるタイミングです。4人のストーリーをきっかけに、自分ならどんな「herstory」や「history」を紡いでいきたいか、身近な人と話してみるのもいいかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








