UN Womenアジア太平洋局長が語る中国の女性支援と2030年ジェンダー平等 video poster
紛争や気候危機が深刻化するいま、ジェンダー平等はどこまで進んでいるのでしょうか。今年10月に北京で開かれた「女性に関するグローバル・リーダーズ・ミーティング」を受けて、UN Women(国連女性機関)アジア太平洋地域事務所のクリスティーン・アラブ所長が、中国の歩みと2030年に向けた課題を語りました。
北京の会合で再確認された中国のコミットメント
中国メディアCMGの番組「Leaders Talk」で行われた今回の単独インタビューでは、アラブ所長が今年10月13〜14日に北京で開催された「女性に関するグローバル・リーダーズ・ミーティング」の成果を振り返りました。この会合では、中国が女性のエンパワーメント(能力強化)とジェンダー平等に強くコミットし続けていることが、あらためて示されたといいます。
アジア太平洋は、世界の成長センターであると同時に、気候変動や不安定な安全保障環境など多くのリスクにも直面しています。アラブ所長は、こうした状況だからこそ、女性と女の子を含むすべての人が取り残されない「包摂的な成長」を実現することが、地域と世界の高い安定につながると強調しました。
北京宣言から30年、中国の「remarkable」な前進
インタビューの大きなテーマの一つは、北京宣言と行動綱領の採択から30年を迎えた中国の変化でした。アラブ所長は、この30年で中国が女性の権利の推進において「remarkable(顕著な)」進歩を遂げてきたと評価し、有名な言葉「女性は空の半分を支える」を引用しながら、女性が社会のあらゆる場面で重要な役割を果たしていると述べました。
女性の権利や社会参加の拡大は、教育や雇用、地域コミュニティなど、生活のあらゆる場面に影響を与えます。アラブ所長は、中国の経験がアジア太平洋のみならず世界全体にとって重要な参照点になっていると指摘しました。
UN Womenと中国のパートナーシップ
アラブ所長は、UN Womenと中国のパートナーシップについても詳しく語りました。両者は、アジア太平洋地域を視野に、女性の権利向上やジェンダー平等の推進で長年協力してきたといいます。
今年の会合を機に、紛争や気候危機の影響を受ける地域で女性と女の子をどう支えるか、といった今後の協力分野も議論されたといいます。アラブ所長は、中国と国際社会がさらに連携を深めることで、各国・各地域での取り組みを後押しできると期待を示しました。
2030年ジェンダー平等目標へのカウントダウン
インタビューでは、国連が掲げる2030年のジェンダー平等目標に向けた世界の取り組みも主要なテーマとなりました。アラブ所長は、目標達成には単に法律や制度を整えるだけでなく、「リーダーシップ」「政策」「認識(パーセプション)」の三つの要素がかみ合うことが不可欠だと指摘します。
- リーダーシップ:政府や企業、地域社会の意思決定の場に、より多くの女性が参加すること。
- 政策:ケア労働や賃金格差など、ジェンダー不平等を生む構造に踏み込んだ公的な支援と制度設計を進めること。
- 認識:家庭や職場、メディアを含む社会全体の意識を変え、固定的な性別役割にとらわれない価値観を広げること。
こうした変化は一夜にして起こるものではありませんが、アラブ所長は、各国が経験や教訓を共有し合うことで、2030年に向けた前進のスピードを高めることができると強調しました。
アジア太平洋から広がる「半分の空」の問い
「女性は空の半分を支える」という言葉は、単なるスローガンではなく、社会のあり方そのものを問い直すメッセージです。アジア太平洋には、多様な文化や歴史を背景にしたジェンダー課題が存在しますが、共通しているのは、女性と女の子の力を引き出すことが、より平和で持続可能な未来につながるという視点です。
今年の北京での会合と今回のインタビューは、中国を含むアジア太平洋の経験が、世界のジェンダー議論に重要な示唆を与えていることを示しました。私たち一人ひとりが、自分の職場やコミュニティでどのように「半分の空」を支えるのか――その問いを考えることが、2030年に向けた最初の一歩になりそうです。
Reference(s):
Exclusive with UN Women Regional Director for Asia and the Pacific
cgtn.com








