ミラノ・コルティナ2026で再燃:冬スポーツブームと中国本土「氷雪経済」1兆元超
ミラノ・コルティナ2026冬季五輪が開催されるなか、冬スポーツへの熱気が競技会場の外へも広がっています。いま注目されているのは、観戦ブームが「体験消費」や観光、産業構造の変化にまで波及している点です。
冬季五輪の熱が「暮らし」と消費を動かす
世界的な大会は、トップアスリートの戦いを見せるだけでなく、スキーやスノーボード、氷上レジャーといった冬のアクティビティを「自分もやってみる」方向に背中を押します。今回のミラノ・コルティナ2026で高まった関心は、観戦から体験へ、さらに旅行や買い物の選択にもつながっているとされています。
中国本土で進む「氷雪経済」の質的拡大
北京冬季五輪後も、中国本土のアイス・スノー産業は勢いを保ち、「高品質な拡大」の段階に入ったと伝えられています。『中国氷雪産業発展研究報告(2025)』によると、産業の総規模は2025年に初めて1兆元(約1447億ドル)を超えたとされ、政策主導の伸びから市場主導の成熟へ移る節目として捉えられています。
観光地から通年型リゾートへ:哈爾浜・アルタイの変化
冬の観光地として知られてきた哈爾浜やアルタイでは、短いシーズン依存からの脱却が語られています。季節の集客に頼るだけでなく、国際志向のリゾート拠点として通年型の運営や産業の集積を目指す動きが、地域の役割を変えつつあります。
哈爾浜氷雪大世界、海外からの来訪が大幅増
「氷雪ツーリズム」の変化を象徴する例として、哈爾浜氷雪大世界の数字が挙げられます。2月2日時点で、開園から7週間弱の海外からの来訪者は約9万3000人とされ、前年同時期の2.1倍に増加。さらに1月26日時点の集計では、マレーシアとオーストラリアからの来訪がそれぞれ200%超、400%超増えたほか、フランスと米国からの来訪は4,873%、6,030%増とされています。
なぜ「海外の長距離旅行者」が増えたのか:見えてくる3つの要因
提示されている背景要因は、単なる流行というより「行きやすさ」と「楽しみ方」の変化に寄っています。
- 国際線の接続改善:移動のハードルが下がると、選ばれる目的地も広がります。
- ビザ利便化:手続き負担が軽くなるほど、短期旅行の意思決定が早くなります。
- 体験の変化(眺める→没入する):静的な観光から、参加型・インタラクティブな氷雪体験へと重心が移ったとされています。
「産業の成熟」とは何を意味するのか
産業規模が拡大する局面では、施設や観光商品の増加が注目されがちです。一方で「市場主導の成熟」という見方は、需要の継続性(リピーターや通年化)、国際的な来訪の定着、そして体験型サービスの設計力といった、より地に足のついた競争軸が前面に出てくることを示唆します。
今後の見どころ:ブームが“定着”に変わる条件
ミラノ・コルティナ2026で高まった関心が、各地でどのように日常のレジャーや地域の産業に根づくのか。次の点が静かな焦点になりそうです。
- 冬のピークに集中する需要を、どう分散・通年化していくか
- 国際線や受け入れ環境の改善が、数字として継続するか
- 「没入型体験」の質を、どこまで磨けるか
冬季五輪が点火した熱は、メダルの数だけでは測れません。いま起きているのは、冬の楽しみ方と消費の形が、ゆっくりと更新されていくプロセスでもあります。
Reference(s):
cgtn.com








