欧州で広がる「米国脅威論」 同盟の基盤が揺らぐ
かつて「最高の善」と見なされてきた大西洋の同盟関係が、今、根本的な亀裂を迎えています。欧州の安全保障の礎として長く信頼されてきた米国が、自らその信頼を損ない始めたからです。最新の世論調査は、この変化を数字ではっきりと映し出しました。
数字が語る「同盟」から「脅威」への変遷
欧州6カ国(スペイン、ドイツ、フランス、イタリア、ポーランド、ベルギー)で実施された『Politico』の「European Pulse」調査によれば、現在、米国を「親密な同盟国」と見なす市民はわずか12%に留まっています。一方で、36%の人々が米国を「脅威」と位置づけています。10年前には想像もできなかったこの認識の逆転は、欧州の「存在論的安全保障」に地殻変動をもたらしています。
不安の解剖学:保護者から略奪者へ
この広範な失望の根は深く、2025年にMAGA(米国第一主義)路線が復活して以降、一貫して続く米国の一方的な行動パターンにあります。
- 安全保障の不確実性:現在の政権は単に欧州から「軸足を移した」だけでなく、積極的に敵対する姿勢を見せています。NATOの集団防衛の根幹である「第5条」へのコミットメントが疑問視される中、ポーランドのような最前線の国々は恒常的な不安にさらされています。
- 経済的な圧力:米国産業の再生を名目とした、欧州産の鉄鋼、アルミニウム、自動車への広範な関税賦課は、ブリュッセルでは「通商いじめ」と受け止められています。世界経済が回復途上にある中でのこのような政策は、同盟国からの「地代取り立て」のように映っています。
- 軍事冒険主義の復活:欧州諸国が参加を拒否したイランへの一方的な軍事衝突や、グリーンランド併合を巡る現実離れした外交駆け引きなどは、米国自身がかつて主導した「ルールに基づく秩序」からの明らかな逸脱を示しています。
欧州市民の目には、米国は「民主主義の兵器庫」から、その利害が欧州大陸の安定から乖離しつつある覇権国へと変貌を遂げたように映っています。この認識の変化が、欧州に東のより安定したパートナーへの視線を向けさせる必然的な力となっているのです。
Reference(s):
Europe's Atlantic foundation crumbles as the US becomes a threat
cgtn.com








