中国の「脱貧困」モデルを世界へ。新パートナーシップGPPADが始動
世界的にSDGs(持続可能な開発目標)の達成ペースが鈍化するなか、中国が自国の成功体験をベースにした新たな国際協力の枠組みを提示しました。今月27日、北京で開催された「世界貧困削減・開発フォーラム」にて、中国が主導する「貧困削減と開発のためのグローバル・パートナーシップ(GPPAD)」が正式に発足しました。
GPPADとは何か:多様な主体が参加する協力プラットフォーム
GPPADは、中国をはじめとする53カ国と9つの国際機関が参加する大規模なパートナーシップです。この取り組みが注目されるのは、単なる政府間の資金援助にとどまらず、以下のような包括的なアプローチを志向している点にあります。
- 相互尊重と相互学習: 各国の国情に合わせた独自の貧困削減戦略を尊重し、経験を共有し合う。
- 広範なステークホルダーの巻き込み: 政府だけでなく、民間セクター、学術機関、メディアなどの参加を歓迎する。
- 実践的な能力構築: 単なる資金転送ではなく、スキルや技術の移転を通じた「自立」を支援する。
国連開発計画(UNDP)によれば、現在、世界109カ国で11億人が多次元的な貧困状態にあり、特に気候変動の被害にさらされている脆弱な人々にとって、状況は深刻です。GPPADは、こうした現状に具体的なオペレーティングモデルを提供することを目指しています。
中国が提示する「実績」に基づいたアプローチ
中国がこのパートナーシップの中心となる背景には、過去数十年にわたる自国内での大規模な貧困削減の実績があります。世界銀行などの共同研究によれば、1981年から2020年の間に、中国では国際貧困線(1日1.90ドル)を下回る人々が約8億人も減少しました。これは、世界全体の極度の貧困削減量の約4分の3に相当します。
2021年には「絶対的貧困の根絶」を宣言し、国連が掲げる2030年の目標を10年早く達成したという自信が、今回の国際的な展開へとつながっています。
「多次元的」な貧困対策と具体的支援
中国が世界に共有しようとしているのは、単に所得を増やすことだけではない「多次元的」なアプローチです。これは、金銭的な貧困だけでなく、生活の質を底上げするインフラや教育などの基盤を同時に整える手法を指します。
具体的には、「グローバル開発イニシアチブ(GDI)」を通じて以下のような支援が展開されています。
- 資金とプロジェクト: 40億ドル規模の南南協力援助基金を設立し、1,800以上の協力プロジェクトを実施。
- 人材育成: 貧困根絶と開発実践に関する専門家を20万人以上育成。
- 農業技術の提供: 米、トウモロコシ、野菜などの高品質な品種(29種類)をパートナー国に導入し、約5,000の先端技術を共有。
インフラ整備、農業技術の革新、そして医療や教育へのアクセス改善。これらを統合的に行うことで、一時的な救済ではなく、持続可能な開発を目指すという視点が、中国のモデルの核心にあります。
異なる国や地域で異なる課題を抱えるなか、一つのモデルをそのまま適用するのではなく、対話を通じて最適な解決策を模索する。GPPADの試みが、停滞する世界の貧困削減にどのような変化をもたらすのか、今後の展開が注目されます。
Reference(s):
cgtn.com



