エランガが古巣弾 ノッティンガム・フォレストがマンU撃破、欧州CL圏へ前進
プレミアリーグの最新節で、ノッティンガム・フォレストがマンチェスター・ユナイテッド(マンU)を1-0で下しました。決勝点を挙げたのは、かつてユナイテッドに所属していたスウェーデン代表FW、アントニー・エランガです。古巣相手の一撃は、フォレストの欧州カップ戦出場争いを大きく前進させました。
前半5分、エランガが「ピッチ2/3」を独走して決勝弾
試合は現地火曜日、フォレストの本拠地シティ・グラウンドで行われました。勝負を決めたのは、開始早々のワンチャンスです。
前半5分、フォレストは自陣深くからカウンターを発動。エランガは自陣付近からピッチのおよそ3分の2の距離を一気にスプリントし、そのまま冷静にフィニッシュ。かつての本拠地オールド・トラフォードを離れてから鍛え上げてきたスピードと決定力を、古巣に見せつける形となりました。
エランガは2年前、大型補強として加入したアントニーにポジションを譲る形でユナイテッドを退団した経緯があります。その選手が今度はユナイテッドを破る決勝点を奪うという、象徴的なストーリーとなりました。
攻めきれないマンチェスター・ユナイテッド
失点後もボール保持率ではユナイテッドが優勢でしたが、最後の場面でのアイデアと精度を欠きました。前半にはDFディオゴ・ダロトのヘディングシュートがクロスバーを直撃。後半には途中出場のメイソン・マウントが鋭いミドルを放ったものの、ゴール右へわずかにそれています。
ルベン・アモリム監督は試合後、こう振り返りました。「試合はコントロールしていたが、この相手は何もないところからでもゴールを生み出せると分かっていた。失点後は、相手の望む展開にしてしまった。いい形は作れていたが、最後の3分の1で決定的なラストパスやアシストが出せなかった。そこがなければ、ゴールは生まれない」。
後半には、前節レスター戦で長いゴール欠乏を断ち切ったラスムス・ホイルンドを投入して前線を活性化しようと試みましたが、攻撃はなかなか噛み合いません。終盤に入ると、ハリー・マグワイアを前線に上げてパワープレーに出る場面もありましたが、アディショナルタイムの決定機はDFムリーロのゴールライン上でのクリアに阻まれました。
3位フォレスト、4位チェルシーと「8ポイント差」に
フォレストはこの勝利でプレミアリーグ3位をキープし、4位チェルシーとの差を8ポイントに広げました。今季のフォレストは「高飛び(ハイフライング)」と表現されるほどの快進撃を続けており、トップ4争いどころか欧州トップクラブ大会出場への期待も現実味を帯びてきています。
一方のユナイテッドは、リーグ戦での無敗が4試合で止まり、今季初めての5試合ぶりの黒星を喫しました。順位は13位にとどまり、巻き返しへの課題があらためて浮き彫りになっています。
「ダブル」達成へ 1991-92シーズン以来の快挙に前進
フォレストは今季12月、オールド・トラフォードでのアウェーゲームでユナイテッドに3-2と競り勝っていました。今回のホームゲームは、ブライアン・クラフ監督時代の1991-92シーズン以来となる、ユナイテッド相手のリーグ戦「ダブル」(ホーム&アウェーでの勝ち越し)達成がかかる一戦でした。
その重圧のかかる状況の中で、序盤のチャンスを確実にものにしたのがエランガのゴールです。この試合の先制点は、今季プレミアリーグでフォレストが先にゴールネットを揺らしたのが通算23試合目で、これはリーグで最も多い数字だとされています。
対照的に、ユナイテッドは今季公式戦で先制点を許す試合が多く、プレミアリーグのクラブの中でこれより多いのはレスター・シティのみという状況です。試合の入り方とメンタル面のコントロールが、大きなテーマになっていることがうかがえます。
45年ぶりの欧州トップ大会へ、一歩ずつ近づくフォレスト
試合終盤は、ユナイテッドのセットプレーやロングボールに押し込まれる時間帯もありましたが、フォレストは集中力を切らさず守り抜きました。特に、後半アディショナルタイムのムリーロによるゴールライン上のクリアは、勝ち点3を決定づけたプレーといえます。
この結果、フォレストは来季の欧州トップクラブ大会(欧州チャンピオンズリーグ)出場権獲得にまた一歩前進しました。クラブにとっては45年ぶりとなる「欧州の舞台」への復帰が視界に入ってきています。
ヌーノ・エスピーリト・サント監督は試合後、「苦しみ、ハードワークし、信じ合い、互いに助け合い、最後はゴールライン上でのクリアだった。本当にタフな試合だった。選手たちはクラブの記録を次々と塗り替えており、今日はシティ・グラウンドの雰囲気もその一部だった」と語り、選手とサポーターを称えました。
データで見る、今季のフォレストとユナイテッド
今回の試合から浮かび上がる、両クラブの特徴を整理すると次のようになります。
- フォレスト:今季プレミアリーグで先制点を奪った試合が23試合とリーグ最多。試合の入り方とカウンターの鋭さが武器になっています。
- ユナイテッド:公式戦で先制点を許す試合が多く、プレミア勢ではレスター・シティに次ぐ多さ。立ち上がりの守備とメンタル面の立て直しが課題です。
- 順位と勢い:フォレストは3位を維持し、4位チェルシーに8ポイント差。ユナイテッドは13位にとどまり、内容面でも決定力不足が目立っています。
数字はあくまで一側面にすぎませんが、フォレストが組織力と切り替えの速さで勝ち点を積み上げているのに対し、ユナイテッドはボール保持をしながらも「最後の一手」に欠けている現状がうかがえます。
この試合が示したもの:ビッグクラブの「名前」よりも、今ある強さ
かつて欧州を制した歴史を持つのはユナイテッドだけではなく、フォレストも同じです。そのフォレストが、現在のプレミアリーグで再び上位に食い込み、欧州の舞台をうかがう立場にあるという構図は、ビッグクラブの名前以上に「今の強さ」がものを言う時代を象徴しているともいえます。
古巣で出場機会を失った若いアタッカーが、新天地で成長し、その古巣を倒す決勝点を決める――エランガのゴールは、選手一人ひとりのキャリアの選択と、クラブのプロジェクトの違いを鮮やかに浮かび上がらせました。
プレミアリーグの国際ニュースとしても、今回の結果は単なる1-0以上の意味を持っています。伝統あるクラブの「復活」と「再構築」がどのように進んでいくのか。今後のフォレストとユナイテッドの戦いぶりは、日本のサッカーファンにとっても注目しておきたいポイントになりそうです。
Reference(s):
Elanga fires Nottingham Forest to victory over Manchester United
cgtn.com








