深圳、全国大会を支える“技術の二重エンジン” 5G-A配信や顔認証、全会場グリーン電力
中国の第15回全国運動会、全国障害者運動会(第12回)、全国特別オリンピック(第9回)の中核開催都市の一つである深圳が、運営のすみずみに技術革新を組み込み、競技の質と都市の活力を同時に高める取り組みを進めています。
マラソンで見えた「止まらない運営」—顔認証+リストバンドで“ゼロ遅延”へ
先週日曜日、深圳市民センターをスタート地点に深圳マラソンが行われ、3万人が42.195キロに挑みました。中でも注目されたのが、深圳―香港の越境マラソンで導入された「顔認証+リストバンド位置情報」を組み合わせた“三重”の確認システムです。運営側は、これにより“ゼロ遅延”のシームレスな通過を実現したとしています。
5G-A中継バックパックと“賢い”ネットワーク運用
当日の会場では、カメラマンが5G-Aのライブ配信用バックパックを装備し、超高精細のライブ中継を支えました。さらに、スポーツセンターなどの主要会場では、ネットワーク性能を安定させるためのインテリジェント(知能化)なスケジューリングシステムを導入。競技の現場で起きがちな通信の波を抑え、運営全体をより効率化する狙いが読み取れます。
全会場100%グリーン電力—風力・太陽光で省エネと脱炭素を“見える化”
深圳の競技会場(深圳分区)は、風力や太陽光など再生可能エネルギー由来のグリーン電力で100%稼働しているとされます。大会運営は大規模な電力消費を伴うだけに、電源の選択そのものが「省エネ・炭素削減」を具体的な形で示す指標になりつつあります。
視覚障害のある選手を支える“赤い六脚ロボット”
テクノロジーの導入は競技の裏方だけにとどまりません。ゴールボール会場では、赤い六脚ロボットが、視覚障害のある選手の案内サービスを担っています。ロボットは周囲環境を認識し、自律的に目的地へ移動しながら障害物を回避し、信号機も認識できるとされています。人の動線が交差しやすい会場で、案内の確実性と安全性を底上げする設計だと言えます。
2025年の深圳は「ほぼ3日に1度」ハイレベル競技—スポーツ産業も拡大へ
深圳は2025年を通じて、中国スーパーリーグやCBAといったプロリーグの試合に加え、第15回全国運動会の一部競技も開催してきました。年間のスポーツ関連イベントは300件超が予定され、計算上は「ほぼ3日に1度」高水準の大会が開かれるペースです。
こうした流れの中で、2025年の深圳のスポーツ産業は総生産額2300億元、付加価値は1000億元超が見込まれるとされています。競技運営の技術化が、観戦・配信・会場運用・都市インフラまでを一続きにし、イベントと産業の距離を縮めている点が特徴的です。
“大会のための技術”から“都市の日常の技術”へ
顔認証や位置情報、5G-A配信、会場ネットワークの自動最適化、再生可能エネルギー、案内ロボット——深圳の事例は、競技の成功に必要な機能を積み上げながら、それが都市の日常運用にも接続していく過程を映し出します。大規模大会は一過性になりがちですが、技術の使い方次第で「終わった後」に残るものの輪郭が変わっていきます。
Reference(s):
Technological innovations integrated throughout national competitions
cgtn.com








