金属の小惑星へ!NASAの探査機「プシケ」が火星で加速、宇宙の謎に迫る
太陽系最大級の金属小惑星を目指すNASAの探査機「プシケ(Psyche)」が、火星の重力を利用して加速する重要な局面を迎えました。
火星の重力を利用した「加速」という戦略
プシケは、目的地へと向かうルートの途中で火星に接近し、その重力を利用して速度を上げる「スイングバイ(重力アシスト)」を実施します。NASAによると、探査機は火星から約4,500キロメートルの距離を、時速19,848キロメートルという猛スピードで通過する計画です。
この戦略的なルート設定には、主に2つの目的があります。
- 燃料の節約: 行惑星間ミッションで初めて採用された「太陽電気イオン推進システム」に使用するキセノンガスの消費を抑えるため。
- 機器の調整: 異なる波長の光を捉える特殊カメラなど、搭載されている科学観測機器の動作確認とキャリブレーション(校正)を行うため。
目的地は「太古の惑星の核」とされる謎の天体
プシケが目指しているのは、火星と木星の間の小惑星帯の外縁に位置する、太陽系で最大の金属小惑星です。この小惑星は、かつて原始惑星の核(コア)であったと考えられており、ここを調査することで、地球のような岩石惑星がどのように形成されたのかという宇宙の根本的な謎を解き明かすことが期待されています。
36億キロメートルの壮大な旅
2023年10月に打ち上げられたプシケは、目的地まで総距離36億キロメートルという途方もない旅を続けています。NASAのジェット推進研究所(JPL)のミッション計画責任者であるサラ・ベアストウ氏は、今回の火星接近について「計画通り正確にターゲットに向かっている」と述べています。
火星での加速を経て、プシケは最終的なコースに入り、約3年後に目的地へ到達する見込みです。未知の金属世界がどのような姿をしているのか、その答えが出る日まで、人類の視線は遠い宇宙へと向けられ続けます。
Reference(s):
NASA's Psyche probe nears Mars for gravity boost en route to asteroid
cgtn.com