アジア冬季大会サイバー攻撃疑惑で中国が米国「秘密工作員」3人を指名手配 video poster
中国東北部・ハルビンで行われた2025年アジア冬季競技大会をめぐるサイバー攻撃疑惑で、中国の公安当局は米国国家安全保障局(NSA)に所属するとされる米国籍の3人を「秘密工作員」と名指しし、氏名を公表したうえで逮捕につながる情報に懸賞金をかけました。国際スポーツとサイバー攻撃をめぐる新たな緊張として注目されています。
ハルビン公安、「秘密工作員」3人の氏名を公表
発表によりますと、中国東北部のハルビン市公安当局は火曜日、2025年アジア冬季競技大会の期間中に行われたとされる悪質なハッキング行為に関与した疑いで、米国籍の3人を指名手配し、懸賞金付きの手配情報を公開しました。
当局は、この3人について、米国の国家安全保障局(NSA)に雇われた「秘密工作員(secret agents)」だと説明し、ハルビンで開催されたアジア冬季競技大会の情報システムや、重要なネットワークインフラ、さらに中国企業のシステムに対してサイバー攻撃を行ったとしています。
これらの攻撃は、大会運営や関連機関の機能を妨害し、中国の企業活動にも影響を与えかねないものだったとみられ、公安当局は3人の行方や関係者に関する情報提供を呼びかけています。
狙われたのは大会システムと重要インフラ
ハルビン市公安当局によると、サイバー攻撃の標的となったのは主に次のようなシステムだとされています。
- 競技結果や運営情報などを扱う大会の情報システム
- 通信などに関わる重要なネットワークインフラ
- 中国企業が運用するネットワークや業務システム
こうしたシステムが攻撃を受けた場合、競技スケジュールや結果の配信が混乱したり、観客や関係者の個人情報が漏えいしたりするおそれがあります。また、企業システムに対する攻撃は、業務の停止やデータの破壊を通じて経済活動にも影響し得ます。
国際スポーツ大会とサイバー攻撃のリスク
アジア冬季競技大会のような国際スポーツ大会は、多くの国や地域から選手・関係者・報道陣が集まり、膨大なデータとネットワークが集中します。そのため、世界的に見てもサイバー攻撃のリスクが指摘されてきました。
一般に、大規模なスポーツイベントがサイバー攻撃の標的となる目的としては、次のような点が挙げられます。
- 大会運営の混乱を引き起こし、象徴的なインパクトを与える
- 大会関連機関や企業が保有する機密情報や個人情報を盗み出す
- 攻撃主体の存在や主張を国際社会にアピールする
その一方で、開催都市や主催側は、競技場の安全対策だけでなく、情報システムやネットワークの保護を強化することが欠かせない課題となっています。今回のハルビン市公安当局の発表も、そうしたサイバー空間での安全確保への取り組みの一環といえます。
米国「秘密工作員」と名指しした中国側のメッセージ
ハルビン市の公安当局は、3人を米国の国家安全保障局に雇われた「秘密工作員」として名指しし、その氏名を公表しました。具体的な氏名や詳細な経歴は明らかにされていませんが、国家機関に所属する人物によるサイバー攻撃だと強調した形です。
国家レベルの組織が関与したとする発表は、自国のサイバー主権や重要インフラを守る姿勢を内外に示すと同時に、同様の攻撃を抑止する狙いもあるとみられます。懸賞金付きの手配とした点からも、この事案を重く見ていることがうかがえます。
サイバー空間をめぐる米中の緊張と今後の注目点
今回、中国の公安当局が米国籍の3人を「秘密工作員」として公表したことで、サイバー空間をめぐる米中間の緊張は、スポーツの舞台にも及んでいることが浮き彫りになりました。
今後の焦点となるのは、
- 3人の身柄確保や捜査の進展がどこまで明らかにされるのか
- 国際的な捜査協力や法的手続きがどのように進むのか
- 今後の国際スポーツ大会で、どこまでサイバー対策が強化されるのか
といった点です。
国際ニュースとしてのインパクトだけでなく、私たち一人ひとりにとっても、デジタル社会の中で何を守るべきか、どのように安全を確保するのかを考えるきっかけになる出来事だといえるでしょう。
Reference(s):
China releases names of U.S. 'secret agents' in cyberattacks
cgtn.com








