Temuから中国本土発の商品が消えた?米国関税ルール変更の波紋 video poster
Temuから中国本土発の商品が相次ぎ消滅 米国の関税免除終了が引き金に
2025年5月2日に米国が中国本土からの低価格小口荷物に対する関税免除を終了する直前、通販プラットフォーム大手のTemuが米国サイトから多数の商品を静かに削除していたことが分かりました。小規模な出品者の商品が中心で、米国の消費者にとっては品ぞろえの縮小と価格上昇につながる可能性があります。
何が起きたのか:5月2日直前の「静かな削除」
報道によると、米国が中国本土からの低価格小口荷物に対する関税免除を5月2日に終了する数日前、Temuは米国向けサイトから多くの商品を取り下げました。対象となったのは、主に小規模な事業者が販売していた商品です。
これらの出品者は、これまで少量ずつ個別に発送することでコストを抑え、米国の消費者に低価格で商品を届けてきました。しかし関税免除が終わり、
- 新たな関税負担の増加
- 通関手続きに関わる書類作成など事務コストの増加
といった負担が重くのしかかるようになったため、Temuとしてもこうした出品の継続が難しくなり、多くのリスティングを終了させたとみられます。
消費者への影響:品ぞろえの縮小と価格上昇リスク
Temuの米国サイトから商品が姿を消したことで、現地の消費者にとっては次のような変化が起きています。
- 選べる商品の種類が減り、ニッチな商品やマイナーなブランドが見つかりにくくなる
- すでに米国内に在庫がある商品については、在庫が尽きた後に価格が上昇すると見込まれる
今年5月の時点で、専門家の間では「ローカル在庫がなくなった段階で、同種の商品の価格が上がる」との見方が示されていました。2025年12月現在も、こうした動きが一部では続いている可能性があります。
小規模事業者への打撃:まとめて送る資金がない
今回の変化で最も影響を受けているのが、中国本土の小規模な出品者です。大手企業や大規模セラーであれば、商品をまとめて輸送し、物流コストや関税負担を相対的に抑えることができます。
しかし、資金力の小さい事業者にとっては、
- 大量に在庫をまとめて送るための資金がない
- 追加の関税や事務負担に対応する余力がない
という現実があります。その結果、Temu上での販売自体を諦めざるを得ないケースが増え、出品が取りやめられたとされています。
「低価格小口荷物の関税免除」とは何だったのか
米国が終了させた低価格小口荷物の関税免除制度は、一定額以下の小口荷物について関税を免除し、通関手続きを簡素化する仕組みでした。この制度により、
- 海外の小規模事業者でも、個々の消費者に直接商品を送れる
- 事務手続きが簡単なため、コストを抑えやすい
といったメリットがありました。特に、Temuのような越境ECプラットフォームにとっては、ビジネスモデルを支える重要な前提条件のひとつだったといえます。
Temuのビジネスモデルへの影響
Temuは、スマートフォンアプリやウェブサイトを通じて、消費者が中国本土を含む海外の出品者から直接商品を注文できる越境ECプラットフォームです。低価格の商品を大量にそろえ、広告などを通じて急速にユーザーを増やしてきました。
しかし、低価格小口荷物の関税免除が終了したことで、これまでのように、
- 少額の商品を個別に大量発送するモデル
- 物流コストと関税を抑えた低価格戦略
を維持することが難しくなってきています。Temuが一部商品を削除したのは、コストと事務負担の増大を見据えたビジネス上の選択ともいえます。
越境EC全体に広がる可能性も
今回の動きは、Temuだけの問題にとどまらず、越境EC全体に影響を与える可能性があります。低価格商品を大量に国境を越えて動かすモデルは、多くのプラットフォームに共通するビジネスの柱でした。
今後は、
- 物流拠点をどこに置くか
- どのような方法で関税や通関手続きに対応するか
- 価格と品ぞろえのバランスをどう取るか
といった点で、各社が見直しを迫られる可能性があります。中国本土の事業者にとっても、より効率的な発送方法や、複数事業者での共同輸送など、新しい工夫が求められそうです。
米国の消費者・日本の読者が押さえておきたい視点
今回のTemuの商品削除は、米国の消費者だけでなく、越境ECを日常的に利用する日本のユーザーにとっても示唆があります。
- 安さの背景に、関税や通関手続きといった制度があること
- 制度が変わると、品ぞろえや価格が一気に変動しうること
- プラットフォームの決定が、出品者と消費者の双方に直結すること
「なぜ急に商品が消えたのか」「なぜ以前より高くなったのか」と感じたとき、その背景には、今回のような制度変更やプラットフォーム側の判断があるかもしれません。
これからをどう見るか:安さだけでなく構造を見る
2025年12月現在、Temuの動きは、国際ニュースとしてだけでなく、私たちの購買行動にもつながるテーマになっています。安さや便利さだけに注目するのではなく、
- その価格がどう成り立っているのか
- 規制や制度が変わったときに、誰がどのような影響を受けるのか
といった視点を持つことが、これからの越境EC時代を生きるうえで重要になりそうです。
Temuから中国本土発の商品が消えつつあるというニュースは、単なるショッピングアプリの話ではなく、国際経済と日々の消費がどのようにつながっているかを考える入口でもあります。
Reference(s):
cgtn.com








