中国ヒップホップ最前線:成都在住HARIKIRIが語る食とビート video poster
中国のヒップホップシーンが急成長するなか、成都を拠点とする英国人プロデューサーHARIKIRIが、その中心でどのようにビートを紡いでいるのかに注目が集まっています。本記事では、CGTNのインタビュー内容を手がかりに、中国ヒップホップのいまを読み解きます。
英国人プロデューサーHARIKIRI、中国ヒップホップの中枢へ
中国のヒップホップは、ここ10年ほどで大きな広がりを見せています。そのブームの只中で活躍しているのが、英国出身の音楽プロデューサー、HARIKIRIです。
HARIKIRIは、中国の人気ヒップホップグループであるHigher Brothersなど、トップアクトと共に作品を制作してきました。海外出身でありながら中国本土のアーティストと深く協働する存在として、シーンの内側と外側の両方の視点を持っていることが特徴です。
成都のA4美術館で語られたヒップホップの今
HARIKIRIは現在、四川省の都市・成都を拠点に活動しています。CGTNのインタビューに応じたのは、同市のA4美術館で開催されたヒップホップ展の会場でした。
美術館でヒップホップをテーマにした展示が行われ、その中でプロデューサーが語るという構図自体が、中国におけるヒップホップの位置づけの変化を象徴していると言えるかもしれません。かつてはサブカルチャーと見なされがちだったヒップホップが、いまや美術館という公共空間で紹介される存在になっているのです。
食とビートが交差する成都の夜
インタビューでは、HARIKIRIのお気に入りの深夜の食事スポットについても話題になりました。制作の合間やスタジオワークの後に立ち寄る、地元の店や屋台は、彼にとってアイデアを練る時間でもあるようです。
夜遅くまで開いている飲食店で、ローカルな味を楽しみながら次のトラックを思い描く。そんな日常の断片は、成都のヒップホップが持つ生活感や、都市のリズムと音楽の近さを映し出しています。華やかなステージの裏側にある、静かな創作の時間にこそ、シーンを支えるエネルギーが蓄えられているのかもしれません。
この10年で変わった中国ヒップホップ
HARIKIRIは、過去10年ほどのあいだに、中国のヒップホップシーンがどのように変化してきたかについても自身の視点を語りました。
- アーティストの数が増え、スタイルやテーマが多様化してきたこと
- オンライン配信やSNSを通じて、楽曲が国内外に広がりやすくなったこと
- 音楽フェスやライブイベントなど、実際に体験できる場が増えてきたこと
こうした変化は、中国本土の都市ごとにローカルなシーンが育ち、その一つとして成都が存在感を高めていることとも重なります。海外出身のプロデューサーであるHARIKIRIが、その流れの中で重要な役割を担っていることは、中国ヒップホップが外に開かれた文化であることを示していると言えるでしょう。
グローバルにつながるヒップホップムーブメント
英国生まれのプロデューサーが成都に拠点を構え、中国本土のアーティストと共に作品を生み出しているという事実は、音楽が国境を越えていくプロセスそのものを物語っています。
ヒップホップという表現は、一方通行ではなく、互いの文化や生活感を持ち寄りながら更新されていくものです。HARIKIRIが語る中国ヒップホップの現在は、グローバルな音楽文化がどのようにローカルな街と結びつき、新しいサウンドを生んでいるのかを考えるきっかけになります。
中国やアジアの動きを日本語で追いかけたい読者にとって、成都発のヒップホップは、ニュースとしてだけでなく、自分のプレイリストや日々の会話を少しだけ変えてくれる題材かもしれません。次にお気に入りのトラックを再生するとき、その裏側で鳴っている街の音や、深夜の食堂のざわめきに思いを巡らせてみるのも面白そうです。
Reference(s):
Producer HARIKIRI's Chengdu: Food, beats and China's hip-hop vibes
cgtn.com








