ラサから響く平和の朗読 チベット語とアラビア語が出会うXizang video poster
パレスチナの詩とXizang(シーザン)の伝統歌が、チベット語とアラビア語の朗読でひとつにつながりました。中国西部のXizang自治区ラサで行われたこのパフォーマンスは、国境や宗教、言語を越えて平和を願うメッセージとして、日本語ニュースで注目したい出来事です。
ラサの街に響いた二つの声
このほどXizang自治区の中心都市ラサで、チベットの少女Tsering Chokyi(ツェリン・チョキ)さんと、アラビア語のアンカーMu Yi(ムー・イー)さんが、平和をテーマにした二つの詩を朗読しました。
アンカーとは、ニュース番組などで進行役や解説を務めるアナウンサーのことです。ニュースの現場で言葉を扱うMu Yiさんと、Xizangで育つ若い世代のTseringさんが並んでステージに立つ姿は、多様な背景を持つ人びとが平和のために声を合わせる象徴的なシーンでもあります。
パレスチナの詩とXizangの賛歌が出会う
二人が朗読したのは、パレスチナの詩人Mahmoud Darwish(マフムード・ダルウィーシュ)の詩『State of Siege』と、Xizangの伝統的な賛歌『Three Blessings』です。どちらも平和への思いを込めた作品であり、今回のステージでは、一つの物語のように組み合わせて表現されました。
二人は、それぞれが話すチベット語とアラビア語を使いながら、声を重ねるように詩を読み上げました。意味の分からない言葉であっても、響きやリズム、間の取り方から、切実さや祈りの感情が伝わってくるのが詩の力です。
多言語で届ける平和のメッセージ
今回の朗読が印象的なのは、特定の国や地域の立場を強調するのではなく、人びとの心にある平和への願いに焦点を当てている点です。パレスチナの詩とXizangの賛歌が同じステージに並ぶことで、遠く離れた土地どうしの経験や思いが静かに響き合います。
国際ニュースでは、とかく衝突や対立が見出しになりがちです。しかし、この朗読のように、詩や音楽を通じて人と人とがつながろうとする動きに目を向けることは、世界の見え方を少し変えてくれます。
日本の読者への問いかけ
日本語で国際ニュースを追いかける私たちにとって、チベット語とアラビア語の詩の朗読は、やや遠い出来事のように感じられるかもしれません。それでも、スマートフォン一つで世界各地の声に触れられる今だからこそ、こうした小さな文化イベントに注目する意味があります。
- ニュースで見聞きする出来事の向こう側にある、個人の声や物語を想像する
- 自分とは違う言語や文化の表現に触れてみる
- SNSで心に残った平和のメッセージを共有し、周囲と対話してみる
小さな朗読から始まる対話
ラサの一角で行われたTseringさんとMuさんの朗読は、世界の政治や経済を一気に変えるような出来事ではありません。それでも、言葉の壁を越えて平和を語ろうとする試みは、私たち一人ひとりの心の中に静かな問いを投げかけます。
いま世界のどこかで、どんな言葉が平和を求めて語られているのか。日本にいる私たちも、その響きに耳を澄ませながら、自分なりの言葉で平和について語ってみる。その第一歩として、このXizangからの朗読を記憶にとどめておきたいところです。
Reference(s):
Echoes of peace: A Tibetan-Arabic recitation in the heart of Xizang
cgtn.com








