中国・河南発「楽しい高齢者ケア」ポスト95施設長の挑戦 video poster
中国・河南発「楽しい高齢者ケア」 ポスト95世代の施設長が変える老人ホーム像
中国河南省シューチャン(Xuchang)市で、1995年以降生まれのポスト95世代の若い介護施設長・Fan Jinlin(ファン・ジンリン)さんが、「楽しい高齢者ケア」という新しい発想で注目を集めています。
祖母の転倒から始まった挑戦
きっかけは、ファンさんの祖母が転倒して入院したことでした。その出来事を機に、「高齢者の晩年を、もっと違う形で明るくできないか」と考えるようになったといいます。
大学卒業前から、高齢者ケアに必要な資格を取得し、最初の老人ホームを立ち上げました。その後、事業は広がり、現在は河南省シューチャン市で五つの老人ホームの経営権を担っています。
メディア専攻のスキルをフル活用
ファンさんは大学でメディアを専攻していました。そのバックグラウンドを、高齢者ケアの現場でそのまま生かしています。
- 短編動画アプリ・Douyinで、入居者と一緒に動画を撮影
- お年寄りと一緒に寸劇を演じる
- 一緒に歌を披露するイベントを企画する
こうした取り組みを通じて、入居者が「見る側」ではなく「出演する側」になり、日常の中に笑いや会話が生まれているといいます。
eスポーツルームで祖父母とチームを組む
ファンさんの施設には、eスポーツルームもあります。ここでは、入居者が若いスタッフとチームを組み、人気オンラインゲームのLeague of Legendsをプレーします。
最初はゲームに触れたことのない高齢者も多いですが、スタッフに操作を教わりながら少しずつ覚えていきます。勝っても負けても、その時間を一緒に楽しむことが目的です。
ゲームは単なる娯楽ではなく、世代を超えたコミュニケーションのきっかけになっています。共通の話題ができることで、入居者同士、そしてスタッフとの距離も縮まっているようです。
新メディアチームが日常を「物語」に変える
現在、ファンさんは施設内に新メディアチームも立ち上げました。チームの役割は、入居者の日常を撮影し、編集し、物語として発信していくことです。
スタッフは単にカメラを回すだけでなく、高齢者と一緒に遊び、笑いながら時間を過ごします。その姿を記録することで、「老人ホームは静かで寂しい場所」というイメージを塗り替えているのです。
こうした明るくにぎやかな暮らしぶりは、多くの人にとって「老人ホームでも、こんな過ごし方ができるのか」という新しい発見になっています。
変わりつつある高齢者ケアのイメージ
ファンさんの取り組みは、高齢者ケアを「お世話をする場所」から「自分らしく生きる場」へと変えていこうとする試みとも言えます。
- 高齢者を「守られる存在」から「参加する主役」へ
- テレビ中心の受け身の時間から、創作やゲームを通じた能動的な時間へ
- 家族にとっても、「預ける」ではなく「一緒に楽しみを共有できる」施設へ
中国の一地方都市から始まったこの小さな実践は、高齢化が進むアジア各国にとっても、ヒントになる部分がありそうです。
日本の私たちにとってのヒント
急速な高齢化が進む日本でも、「介護は大変」「施設は寂しい場所」というイメージは根強くあります。一方で、これから介護の現場に入っていくのは、スマートフォンやネットに慣れた世代です。
もし日本の介護施設でも、動画撮影やゲーム、音楽など、若い世代が得意なスキルを生かせたらどうなるでしょうか。高齢者ケアの現場は、もっとクリエイティブで、もっと笑いの多い場所になるかもしれません。
河南省シューチャン市の「楽しい高齢者ケア」は、そうした未来の一つのモデルを先取りしているようにも見えます。あなたなら、どんな「楽しい高齢者ケア」をデザインしたいですか。
Reference(s):
Post-95 nursing home director introduces 'happy elderly care' concept
cgtn.com








