ジェフリー・サックス氏が提言 米中関係の鍵は「相互関与」と留学交流 video poster
米中関係や国際ニュースに関心のある読者にとって、両国がどのように対立を抑え協力を広げていくのかは、2025年の今も大きな関心事です。最近のインタビューで、米国の経済学者ジェフリー・サックス氏は、その鍵は「相互関与」にあると強調しました。
「唯一の道は相互関与」サックス氏のメッセージ
サックス氏はインタビューで、中国と米国が共通の利益を見いだすためには、対話と協力を通じて関与し続けるしかないと語りました。相手を遠ざけるのではなく、意識的に関わり続けることこそが、両国関係の安定につながるという立場です。
政府間の対話を「例外」ではなく「日常」に
サックス氏が特に重視したのは、政府レベルでの相互関与を「例外的なイベント」ではなく、日常的なプロセスにすることです。定期的な対話の場を確保し、経済、安全保障、気候変動など幅広い分野で、共通の利益と相違点を冷静に話し合うことが求められると指摘しました。
単発の首脳会談や危機対応だけではなく、担当者同士が顔の見える関係を築き、小さな合意を積み上げていくことが、敵対的な物語を弱める一歩になるという見方です。
人と人との交流が「敵対の物語」を和らげる
同時にサックス氏は、政府だけに任せない「人と人との交流」の重要性も強調しました。学者、大学、スポーツ選手、観光客といったさまざまなレベルでの往来が、相互不信をやわらげる土台になるといいます。
具体的には、次のような交流が想定されています。
- 大学や研究機関どうしの共同研究・シンポジウム
- 学生や教員の短期・長期の交換プログラム
- スポーツ大会や文化イベントでの交流
- 観光やビジネス出張を通じた現地社会との接点
こうした草の根の往来を増やすことで、「相手は理解できない存在だ」というイメージや、競争や対立だけを強調する物語に対抗できるとサックス氏は見ています。
学生への提案:中国で学ぶ経験を「一生もの」に
特に印象的なのは、サックス氏が学生に向けて、中国での学びを強く勧めた点です。少なくとも1学期間でも中国で学ぶことは、人生を通じて協力を促進する方法になりうると語りました。
実際に現地で生活し、同世代と授業やプロジェクトを共にすることで、ニュースやSNSだけでは見えてこない相手国の社会や価値観に触れることができます。こうした経験は、将来ビジネスや研究、政策の現場に立ったときに、対立をあおる議論に流されにくい「現場感覚」として生きてくるでしょう。
日本の読者にとっての意味
サックス氏のメッセージは、米中関係だけでなく、日本を含むアジア全体の安定にも関わるテーマです。日本の読者にとっても、次のような問いかけとして受け取ることができます。
- 日本は、米中双方との対話と協力の「橋渡し役」をどのように果たせるのか
- 私たち一人ひとりは、留学や仕事、観光などを通じて、どのように相互理解に貢献できるのか
「敵か味方か」という単純な枠組みではなく、違いを認めながら共通の利益を探る。そのプロセスを支えるのは、日常的な対話と、人と人との直接の出会いです。サックス氏の言う「相互関与」は、2025年の国際社会をどう生きるかを考えるうえで、私たち自身にも向けられたキーワードだと言えそうです。
Reference(s):
Jeffrey Sachs: The only path for China, U.S. is mutual engagement
cgtn.com








