上海の室内スキー施設に“透明な氷の馬” 春節前に現れた氷彫刻の舞台裏 video poster
中国本土・上海の「Shanghai L+SNOW Indoor Skiing Theme Resort」で春節直前、水晶のように透明な“氷の馬”が群れで登場し、来場者の注目を集めています。氷彫刻師の米永建(Mi Yongjian)さんが、巨大な氷塊を道具さばきで“走り出しそうな姿”へ変えていく工程が話題です。
何が起きた?――室内ゲレンデに現れた「氷の馬の群れ」
会場となったのは、上海の室内スキーをテーマにした施設です。春節を迎える時期に合わせる形で、クリスタルクリアな氷の馬が複数体並ぶ展示が設けられました。雪と光のある空間に、透明な彫刻が重なることで、輪郭や筋肉の起伏が際立つ演出になっています。
制作の舞台裏:電動ノコギリからノミまで、氷を「削る」工程
氷彫刻は、最初から細部を彫るのではなく、段階的に“情報量”を増やしていきます。米永建さんは、電動工具と手工具を組み合わせ、デザインから仕上げまでを積み上げていきました。
- 設計:氷塊の大きさと完成形のバランスを決め、馬の姿勢(脚の運び・首の角度)を描きます。
- 荒取り:電動ノコギリなどで大まかなシルエットを切り出し、全体の比率を固めます。
- 面づくり:かんな(プレーン)で面を整え、光が当たったときの“抜け”を計算します。
- 彫り込み:ノミで筋肉の稜線や顔つきなど、視線を集めるポイントを立てます。
- 仕上げ:細部のエッジと透明感のバランスを整え、遠目でも近目でも成立する表情に寄せます。
なぜ「馬」なのか:透明な素材が映える、動きのあるモチーフ
馬は、静止していても“動き”を想像させるモチーフです。氷彫刻では、脚やたてがみ、胸まわりなど、曲線が連続する部分が多いほど、光の屈折と陰影で立体感が出やすくなります。透明な氷は色で語れない分、形の説得力がそのまま作品の強さになります。
見どころは「透明感」だけではない――鑑賞のポイント
写真や動画で目に入りやすいのは透明感ですが、現場で見たときに効いてくるのは、むしろ“削りの設計”です。
- 輪郭の強弱:太い線と細い線が混ざることで、馬の迫力が生まれます。
- 面の向き:照明に対する角度が少し違うだけで、氷は白くも透明にも見えます。
- 近づいたときの情報量:遠目はシルエット、近目は表情。二段構えで作られているかがポイントです。
「溶ける前提」のアートが残すもの
氷彫刻は、気温や環境に左右されやすい表現です。そのぶん、完成した瞬間の価値が高く、鑑賞体験が“いまここ”に結びつきます。春節シーズンの人の流れの中で、透明な馬の群れが立ち上がったことは、季節行事と都市型レジャー、職人技が交差する一場面として、静かに記憶に残りそうです。
Reference(s):
cgtn.com







